まさに究極的:アルピナD4 S 確かな余裕:レンジローバー・スポーツ ディーゼル・フォエバー(1) 3台比較

公開 : 2025.06.28 17:45

物理的にも感覚的にも路面から離れた場所

フィレンツェ・レッドに塗られた、ランドローバーレンジローバー・スポーツへ乗り換えてみる。D4 Sと比べると明らかに重量級で、最高出力350psの今回のD350は、お値段も4万ポンド(約780万円)以上お高い。

知らない人が運転したら、これがいわゆるレンジローバーだと勘違いするのでは。物理的にも感覚的にも、乗員は路面から離れた場所に座る。インジニウム・ユニットは味わい深いとはいえないまでも、有能なことは間違いない。走りには、確かな余裕がある。

ランドローバー・レンジローバー・スポーツ D350 オートバイオグラフィー(英国仕様)
ランドローバー・レンジローバー・スポーツ D350 オートバイオグラフィー(英国仕様)

高域へ回すと、8気筒エンジンへ近いサウンドが奏でられる。ダイナミック・モードを選ぶと、レブリミットへキッチリ迫れる。SUVなのに、スタビリティ・コントロールの制御を緩めることもできる。

反面、英国のワインディングでは、大きさを忘れることができない。生け垣が路肩に迫るような区間でなくても、気は抜けない。

コンフォートのままで素晴らしく魅力的

ドライブモードの切り替えは、タッチモニターで。以前のレンジローバーは、手袋のまま操作できる、大きなボタンやスイッチが特長だったけれど。

しかし、コンフォートのままで素晴らしく魅力的。喧騒から隔離されたように移動できる。「入念なステアリングの調整と、しなやかで上質なサスペンションが最大の特徴」だと、AUTOCARでは過去に評価している。

ランドローバー・レンジローバー・スポーツ D350 オートバイオグラフィー(英国仕様)
ランドローバー・レンジローバー・スポーツ D350 オートバイオグラフィー(英国仕様)

同時に一般道では、サイズとウエイトが運転の楽しさを霞ませる。実力を探求したいと、気持ちはウズキにくい。快適性と操縦性のレンジの広さを考えると、少々惜しい。

比較試乗の続きは、ディーゼル・フォエバー(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブン・ドビー

    Stephen Dobie

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ディーゼル・フォエバーの前後関係

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