BMW アルピナ統合後の将来像、2026年に発表へ 専属デザイナー配置でどう変わる?

公開 : 2025.05.01 18:45

2026年、ドイツの高性能車ブランドであるアルピナはBMWグループの一員となり、新しい時代を迎えます。BMWはデザイン部門の再編により、標準モデルやMモデルとの違いを打ち出そうとしています。

鍵を握るデザイン部門の再編

BMWは来年、60年の歴史を持つドイツの高性能車ブランド、アルピナ(Alpina)を正式に買収し、ポールスターの元幹部を専属デザイナーに迎える。その将来像については統合後に明らかにされる予定だ。

2022年、BMWグループはブッフローエを拠点とするアルピナを創業者のボーフェンジーペン家から買収した。しかし、アルピナは2025年まで独立した運営を継続し、最近、独立時代の最後のモデルとして『B8 GT』を発売した。

アルピナは2026年よりBMW直轄のサブブランドとして運営されることになる。
アルピナは2026年よりBMW直轄のサブブランドとして運営されることになる。

BMWグループ傘下となったアルピナの将来像について、詳しいことはまだ分かっていない。チーフデザイナーのエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏はAUTOCARに対し、2026年に事業統合が完了した後に、詳細を発表すると述べている。

「アルピナは、わたし達にとって常に特別な存在でした」と同氏は言う。

「このブランドを設立したボーフェンジーペン家とは、当時も今も、とても良い関係を築いています。アルピナのモデルは当社の工場で生産されているため、技術面でも非常に強い提携関係があります」

「ボーフェンジーペン家との契約により、この件については来年以降に詳しくお話しすることになります。今年はまだ彼らの指揮下にあるため、発表することはありません」

「わたし達はこのブランドを愛しており、末永く繁栄してほしいと考えています。その将来の一部は来年お見せできるでしょう」

歴史的に、アルピナモデルはBMWモデルを大幅に変更したものであり、高性能のMモデルと同等のパワーとパフォーマンスを備えつつ、洗練されたツーリング性能に重点を置いている。

こうしたアルピナの位置付けが維持されるかどうか(例えば、次の3シリーズにB3が設定されるかどうか)についてはまだ発表はないが、ベースモデルとはより明確に差別化される可能性が高い。

ファン・ホーイドンク氏は最近、BMWグループのデザイン部門を再編し、各ブランドのデザイン責任者を交代させ、BMW Mとアルピナには専属のデザイナーを新たに配置した。

「チームを拡大できたのは、非常に貴重なことです。これは、経営陣がデザインチームに寄せている信頼の証でもあります。簡単に言うと、仕事量が増えたので、チームの拡大はわたしにとっても有益でした」と同氏は言う。

大きな変化としては、BMWのドマゴイ・ドゥケック氏がロールス・ロイスへ移籍し、その後任としてミニのオリバー・ハイルマー氏がBMWのデザインを率いることになった。また、グループ外のポールスターから、デザイン責任者のマクシミリアン・ミッソーニ氏をアルピナの担当として抜擢した。

「これらの変更については非常に前向きに捉えています。これにより、チームはさらに情熱を注ぎ、細部にまで気を配って業務に取り組むことができるようになります。BMWチームは2つに分割しました。マックス(マクシミリアン)・ミッソーニが一方を担当し、以前はミニの担当だったオリバー・ハイルマーがもう一方を担当します」

これにより、アルピナ、M、標準のBMWとの間でさらに差別化が進むのかという記者の質問に対し、ファン・ホーイドンク氏は「すでにかなりの違いがある」としながらも、各ブランドがより明確な特徴を持つための基礎は整っていると答えた。

「デザイン言語は1つに統一されますが、チームは小規模になり、作業負荷は複数のメンバーに分散されるようになります。これにより、質の高い結果が生まれ、近い将来、さらなる成長につながると思います」

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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