キャデラック風味のリムジン ベントレー・スピードシックス(1) 一線画す6.6L直6エンジン
公開 : 2025.08.02 17:45
ライバルと一線を画した高度な直6エンジン
サスペンションは、前にベントレー&ドレイパー社製のフリクション式ダンパーを装備。リアには油圧式ダンパーが組まれた。また、前のクロスメンバーは高張力ボルトで固定され、欧州より過酷だった北米大陸の環境へ備えられた。
ブレーキは、前後とも直径400mmのドラム。サーボモーターを備え、当時としては強い制動力を生むことができた。ペダル配置は、右側がアクセルで中央がブレーキと、現在と同様。エンジンの熱を遮断するため、足元の隙間にはフェルトが挟まった。

ステアリングラックは、ボール&ナット式。軽量なエレクトロン・マグネシウム合金で、ボックスは鋳造されている。トランスミッションは、ベントレーCタイプと呼ばれた4速マニュアル。このケースも、同様に合金で鋳造された。
そして、特にライバルと一線を画したのが、6597ccの直列6気筒エンジン。シリンダー毎に、2本の点火プラグと4枚のバルブを配置し、先進的なシングル・オーバーヘッド・バルブ(SOHC)のヘッドも載った。今でも、前時代的な技術とはいえないだろう。
目立ったに違いないダーク・レッド
シャシー番号HM2854は当時唯一、ベントレーの輸出を請け負っていたルーツ社によって、コーチビルダーのチャールズ・シュッテ・ボディ・カンパニー社へ輸送。そのペンシルベニア州のワークショップには、4ドア・リムジンボディの注文が入っていた。
ボディの塗装色はダーク・レッドで、ブラックのフェンダーにレザートップのルーフでコーディネートされた。初代オーナー、ルースの一族が所有していたロールス・ロイスへ、合わせたものだったらしい。

内装は、ウィップコードと呼ばれる厚手のクロスで仕立てられた。スライド式のパーティションと、非常席も設けられた。高級車が少なくなかったニューヨークでも、相当目立ったに違いない。
この続きは、ベントレー・スピードシックス(2)にて。



























































































































































