予算300万円で成功者になれる?初代ジャガーXKで幸せになりたい【第5水曜日の男、遠藤イヅルの令和的ヤングタイマー列伝:第4回】

公開 : 2025.07.30 21:05

XKで成功者になれる?

この連載は決してバイヤーズガイドではない(執筆者本人はそう思っている)のですが、とはいえ『今見直すといいよね』という趣旨上、『では買うとどうなの』ということにも多少は触れねばナリマセン(汗)。

そこで有名中古車検索サイトを調べたところ、2025年7月末現在における初代XKの掲載台数はクーペが10台、コンバーチブルが11台で、前期後期、XK8とXKRがいい感じに同程度ミックスされていました。

ウォールナットで埋め尽くされ、贅を尽くしたXKのインテリア。
ウォールナットで埋め尽くされ、贅を尽くしたXKのインテリア。    ジャガーランドローバー

そしてこの手の大排気量モデルというのは、中古車市場では思った以上に値崩れを起こしているものです。

ということで、やはり驚かされたのはその価格。中古車ゆえ程度から生じる価格差があるのはもちろんなのですが、XKクーペならミニマム150万円〜上限380万円ほどで、平均価格はなんと215万円でした。新車時の価格や圧倒的に高級な内装、ジャガーの大型クーペという性格を考えたら、かなりのバーゲンプライスに感じます。

優雅な存在感を放つXKを見て、300万円しないなんて、多くの人はまず信じないでしょう。ご両親にナイショでXKを買って、実家にサラっと帰ったら、親御さんに「ウチの子は成功したんだなあ」って喜んでもらえること間違いなしです。それも親孝行のひとつだったり?

それなりの覚悟と財力が必要だが、幸せになれるクルマ

XKは安い! と書いてきたものの、では買った後はどうなのか……というと、実はそう甘くないのが高額車やヤングタイマー・ジャガーの世界。決して手放しで乗れない、というのは現実的な話です。

エアコン、オートマチック、パワステという古いクルマあるあるなウィークポイントは当然のこと、ABSなどXK特有のトラブルも出てくることでしょう。あれこれマイナートラブルも続くでしょう。また中古車の場合、XKが本来持っていたあのしなやかな乗り味や乗り心地がどこまで残っているかもわかりません。年間の修理代は安くないはずです。

後期モデルのXKR。流麗なルーフの造形に惚れ惚れする。
後期モデルのXKR。流麗なルーフの造形に惚れ惚れする。    ジャガー・ランドローバー

とはいえ、とはいえなのです。前述のようにまずイニシャルコストが安い。それなのに、降りて振り返ればそこにはジャガーの、しかも美しすぎるビッグクーペが佇んでいるのです。アイボリーレザーとウォールナットの洪水のような車内に身を潜らせれば、「ああ、いい買い物をした」と思えるのではないでしょうか。

乗り続ける覚悟と、当面の修理代を少しプールできたら、とても幸せな日々が送れそう。ジャガーXKはそんな夢を与えてくれるクルマかもしれません。

さて、次の第5水曜日は10月29日。まだ先だなって思っていたら、きっとすぐに来てしまうのでしょうね。次回のテーマは何にしましょう。決めておかなくちゃ!

記事に関わった人々

  • 執筆

    遠藤イヅル

    Izuru Endo

    1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター兼ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持つ。コピックマーカーで描くアナログイラストを得意とする。実用車や商用車を好み、希少性が高い車種を乗り継ぐ。現在の所有は1987年式日産VWサンタナ、1985年式日産サニーカリフォルニア、2013年式ルノー・ルーテシア。
  • 平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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