サーキットよりも砂丘を走る方が楽しい デューンドライブのススメ 英国記者の視点

公開 : 2025.07.31 06:45

4WD車で砂丘を走る「デューンドライブ」では、高いドライビングテクニックが求められます。過酷な環境でのハードな走行になりますが、一度経験すると病みつきになるようです。AUTOCAR英国記者コラムです。

何度でも楽しみたい 貴重な教訓も

たった数回しか経験していないことを本当に好きになれるだろうか? 筆者(英国人)の場合、結婚は確かに楽しいし、筆者のパートナーも(おそらく)安心してくれるだろうが、もう一度結婚するつもりはない。

スカイダイビングやバンジージャンプもきっと楽しいだろうと思うが、必ずしも何度もやりたいという気持ちになるとは限らない(バンジージャンプは絶対に嫌だ)。

砂丘ドライブ(デューンドライブ)は一度経験すると病みつきになるようだ。
砂丘ドライブ(デューンドライブ)は一度経験すると病みつきになるようだ。

しかし、砂丘でのドライブは、何度でもやりたいと思う。言葉通り、クルマで砂丘を登り、そして降りるという行為である。本当に楽しい。多くの4WD愛好家が、エアコンの効いた大都市から飛び出して行うものだ。

自分のトヨタランドクルーザーはビッグレッド(Big Red)を登れるだろうか? モリーブ(Moreeb)やデューン7(Dune 7)は? 新しいタイヤならもっと速く登れるだろうか? ロックディファレンシャルを装着したら? それとも、スポーティーなビーチサンダルを履いていたら?

世界の大多数の人々にとって、このような行為は少し幼稚に思えるかもしれないが、それは見方の問題だ。3kmの円を描いて走るよりも無意味なことだろうか? 筆者にはそうは思えないし、むしろ、やればやるほどそうは思えなくなってくる。

筆者が初めて砂丘を走ったのは、おそらく15年前、モロッコでのダチア・ダスターのプレス発表会だった。軽くて動きやすいため、砂丘走行には悪くないクルマだった。

その後、アラブ首長国連邦(マセラティレヴァンテで)と南アフリカ(ランドローバーディフェンダー・オクタの発表会で)でも体験した。

なぜか、まだ砂丘に埋もれたり、浜辺に打ち上げられたり、オイルパンやサスペンションタワーを壊したり、谷間に突っ込んだりしたことはない。何年にもわたって、そのときの奇妙な興奮を思い出し、味わえるのは悪いことではない。

砂丘をうまく走るには、パワーとトラクションの精密なコントロール、スムーズで効率的なステアリング、そして推進力だけでなく駆動力の維持が鍵となる。フィーリングが重要だ。アクセルを過剰に踏むと埋まってしまうし、逆に不足するとエンジン回転数が低下し、駆動系が失速し、そのまま止まってしまう。

ステアリングを過剰に操作すると、タイヤが前へ進むための効果的な駆動力を発揮できず、すべての推進力とエネルギーがホイールスリップとして無駄になる。手短に効率的なコース修正を行い、できるだけステアリングをまっすぐに保てば、問題ない。

理由は異なるが、氷上ドライブもとても楽しい。しかし、どちらかを選べるのであれば、筆者は砂丘ドライブを選ぶだろう。砂丘ドライブでは、貴重な経験と教訓を得られるからだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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