【ミシュラン・プライマシー5】コンパクトカー、ミニバン、ライトSUVまで広い守備範囲!残溝2mmで驚いたウエット性能

公開 : 2025.08.19 11:45

グリップ感がクリアに手元へ伝わってくる

そんなプライマシー5に試乗した。

第一印象は、とてもクリアな応答のタイヤだと感じた。微細なステアリング操作に対してもレスポンスがよく、かつ正確に応答があり遅れや鈍さがない。先代プライマシー4+も操縦性と静粛性のバランスが良いタイヤだったが、プライマシー5はさらにグリップ感がクリアに手元へ伝わってくる。

ウエット路面はメルセデス・ベンツGLA、高速周回路は日産セレナで試乗。
ウエット路面はメルセデス・ベンツGLA、高速周回路は日産セレナで試乗。    平井大介

高速周回路は日産セレナで試乗。ここでは60km/h程度のスラロームと80~100km/hの速度域でのレーンチェンジを試した。あくまでもコンフォート系タイヤの範疇でだが、適度な剛性を持たせ、全体的にタイヤが引き締まった味付けになっている。重心の高さからくるタイヤの変形感やヨレも感じられなかった。

また、全体に音圧が少なく、高周波系のノイズがよく抑えられ、静かと感じられるノイズレベルだった。

ウエット性能も優秀だ。メルセデス・ベンツGLAで試乗したところ、ウエットハンドリングでは単純にグリップ性能の高さを強く感じた。微細なステアリングの切り始めから手応えが明瞭で、グリップの様子がはっきりと伝わってくる。ドライ路面で走っているのと同じ感覚で走れてしまうのに感心した。

圧巻のウエットブレーキ

圧巻はフォルクスワーゲン・ゴルフ(第8世代)で試乗したウエットブレーキ。80km/hからのウエット制動を、新品と残溝2mmで比較することができた。

車両に取り付けられた計測器のデータ(参考値)では、新品の制動距離はおよそ27~28m。ブレーキをかけた瞬間からガシッと路面をとらえているグリップ感がある。

新品と残溝2mmの比較試乗に用意された、2台のフォルクスワーゲン・ゴルフ。
新品と残溝2mmの比較試乗に用意された、2台のフォルクスワーゲン・ゴルフ。
    平井大介

驚いたのは、残溝2mmまで削った疑似磨耗タイヤ。制動距離は31~32mにとどまった。ブレーキを強く踏んだ瞬間からクルマ1台分ハイドロプレーニングで水に乗った感覚があるのだが、タイヤが路面にコンタクトしてからは、感覚的には新品タイヤと変わらない安定したグリップ感で強くブレーキがかかるのだ。

過去の記憶に照らすと、摩耗タイヤの制動距離はもっと伸びる傾向にあるが、プライマシー5は、摩耗時の排水性能10%アップがそのままウエット摩耗制動に効果を発揮しているということなのだろう。もちろん現実的にはテストタイヤのようにきれいに摩耗しないが、目安として摩耗時の性能の高さはわかる。

ミシュラン・プライマシー5はプレミアムコンフォートタイヤにカテゴライズされるが、コンパクトカーからミニバン、ライトSUVまで広い守備範囲を持つ。スッキリした上質な乗り心地と素直な操縦性があり、安心できるウエット性能を備えた、全方位型のタイヤに仕上がっているように思えた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    斎藤聡

    1961年生まれ。学生時代に自動車雑誌アルバイト漬けの毎日を過ごしたのち、自動車雑誌編集部を経てモータージャーナリストとして独立。クルマを操ることの面白さを知り、以来研鑽の日々。守備範囲はEVから1000馬力オバーのチューニングカーまで。クルマを走らせるうちにタイヤの重要性を痛感。積極的にタイヤの試乗を行っている。その一方、某メーカー系ドライビングスクールインストラクターとしての経験は都合30年ほど。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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