【スーパーカー超王が斬る】ランボルギーニ・ウラカンとは何だったのか?最後に乗ったSTOのコクピットで思ったこと

公開 : 2025.08.20 11:45

路面からのインフォメーションを正確に伝える

ウラカンのパフォーマンスを初めて体験したのは、もちろんファーストモデルである『LP610-4』。前作に相当するガヤルドと比較して、ともかく扱いやすく、かつ快適な乗り心地が演出されていたことが、この時にまず感じた第一印象だった。

さすがに今回ドライブしたSTOでは、乗り心地は相当にスパルタンなものへと変化しているが、一方で路面からのインフォメーションを極めて正確にドライバーに伝えてくれるという点では、その魅力はさらに高まっているのがわかる。

室内もアルカンターラを多用したスパルタンな仕様となるウラカンSTO。
室内もアルカンターラを多用したスパルタンな仕様となるウラカンSTO。    平井大介

ちなみにこのSTOには、ほかのウラカンと同様にANIMAと呼ばれるドライブモードの総合制御機能が備わるが、用意されるモードはデフォルトの『STO』に加えて、ドライのサーキット走行用とされる『TROFEO』、そしてウエットコンディションに対応する『PIOGGIA』の3種類。今回のドライブでは、ほぼすべてのシーンでこのSTOモードを使用した。

今でもなお魅力は衰えていない

開発当時にランボルギーニ・チェントロスティーレ(デザインセンター)のチーフ職にあったフィリッポ・ペリーニの主導でデザインされたウラカンのスタイリングは、今でもなおその魅力は衰えていない。

より高性能なエアロダイナミクスを追求するために採用された、専用の一体成型型フロントカウル(ランボルギーニはそれをコファンゴと呼ぶ)や、こちらもダイナミックな造形を見せるリアの大型ウイングとディフューザーなどのフィニッシュは、いかにもSTOが特別なウラカンであることを物語る部分。

フィリッポ・ペリーニの主導でデザインされたスタイリングは今も魅力的。
フィリッポ・ペリーニの主導でデザインされたスタイリングは今も魅力的。    平井大介

高速走行時はもちろんのこと、コーナリング時においても、スタンダードなウラカンからさらに増大したダウンフォースの恩恵というものを感じることができる。

それに加えてウラカンの基本構造体であるアルミニウム製スペースフレームや前後サスペンションの剛性感、さらには徹底した軽量化策の効果というものも、走りの中には十分に魅力となって表れている。

ちなみにランボルギーニはこのSTOのウエイトを1339kgと発表しているが、この数字から想像する以上にSTOの走りは軽快で、そしてまたナチュラルなインプレッションに終始する。

さらに鋭さを増したアクセルレスポンスに感動

V10エンジンは自然吸気らしく、魅力的なトルク特性を感じさせてくれるもの。圧巻なのはやはり最高出力が発揮される6000rpm前後でのパワーフィールで、それに加えてこの領域ではさらに鋭さを増したアクセルレスポンスにも感動させられることになる。

自然吸気の大排気量エンジンは、やはりスーパースポーツにとって必要にして不可欠なもの。実際にこのウラカンSTOのステアリングを握れば、多くの人はこのような感想を抱くのではないだろうか。組み合わされるデュアルクラッチ式の7速ミッションの動きも、常にクイックでスムーズなフィーリングに徹している。

V10エンジンは自然吸気らしく、魅力的なトルク特性を感じさせてくれる。
V10エンジンは自然吸気らしく、魅力的なトルク特性を感じさせてくれる。    平井大介

約10年という生産期間を終え、後継車のテメラリオに市場を譲ることになったウラカン。だがその存在はこれからも、ランボルギーニの、そしてスーパースポーツのファンには魅力的なものであり続けるだろう。

残念ながらウラカンの走りを楽しむのは、これが最後のチャンスだったのかもしれない。だが、その刺激的なパフォーマンスを忘れることは一生ないだろう。テメラリオが誕生しても、ウラカンは独自の存在価値を主張するモデルであり続ける。そう確信することができたドライブだった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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