1万rpmの次世代 ランボルギーニ・テメラリオ(1) V8ツインターボ+3モーターの新鋭ハード略説

公開 : 2025.07.23 19:05

1万rpmを誇るV8エンジンと3モーターを得たテメラリオ 総合920ps デジタル技術に事欠かない車内 エッジの効いた響きはフェラーリ風 驚異的な回転数と新次元の操縦性 UK編集部が試乗

1万rpm回る4.0L V8ツインターボ

ジュニアランボルギーニから、V型10気筒エンジンは失われた。しかし、1万rpmという超高回転型の、V8ツインターボを獲得している。

イタリア・サンタアガタの技術者が、ハイパフォーマンス・エレクトリファイド・ビークルと呼ぶテメラリオは、プラグイン・ハイブリッド。クラス上のレヴエルトと同様に、電気だけで10km程度の距離を走れつつ、動的能力の向上が目指された。

ランボルギーニ・テメラリオ(欧州仕様)
ランボルギーニ・テメラリオ(欧州仕様)

他方、同社はレヴエルトと異なる個性を与えようともした。一層の楽しさを、あるいは滑沢さを。今回はポルトガルのエストリル・サーキットでの試乗となったが、その狙いは達成されたようだ。

トルクベクタリング技術は同じように実装されるが、特性は異なる。更に深く没入できる、限界領域での操縦性を得ている。さらに、運転体験へ満たされるのに、全開まで気張る必要もない。

過去最大のターボ 3モーター加勢で920ps

アルミニウム製のスペースフレームシャシー中央に載るのは、新設計の4.0L V8フラットプレーンクランク・ユニット。コンロッドはチタン製で、レーシングカー水準のバルブ系が与えられている。

同社の技術責任者、ルーベン・モール氏は「ランボルギーニでは過去最大のターボチャージャー」も採用したと主張する。果たして、エンジン単体での最高出力は、9000rpmで800psが絞り出される。

ランボルギーニ・テメラリオ(欧州仕様)
ランボルギーニ・テメラリオ(欧州仕様)

最大トルクは74.2kg-m。驚くほどの数字ではないかもしれないが、エンジンと8速デュアルクラッチATの間には、150psの駆動用モーターが組まれている。

フロントにも同型のモーターが2基載り、加減速を担うだけでなく、ステアリングホイールやペダルの入力に応じて、旋回や姿勢を整えるのに一役買う。これらを司るのは、「LVDI 2.0」と呼ばれる電子制御システム。総合での最高出力は、920psに達する。

ウラカン・テクニカより300kg増 最高速342km/h

新設計のボディは、カーボンファイバーではなくアルミ製で、ドイツ・ネッカーズルムのアウディ工場で製造される。車重はランボルギーニ・ウラカン・テクニカより約300kg重いものの、0-100km/h加速は2.7秒。最高速度は342km/hがうたわれる。

約3万ポンド(約594万円)の「アレジェリータ」軽量化パッケージで、車重はダイエット可能。チタン製エギゾースト・システムやカーボン製ボディキットなどで、見た目も差別化される。別費用でカーボン製ホイールも組めば、合計25kg軽くできる。

ランボルギーニ・テメラリオ(欧州仕様)
ランボルギーニ・テメラリオ(欧州仕様)

ボディサイズは全長4706mmで、全幅が1996mm、全高は1201mm。ちなみにウラカン・テクニカは、それぞれ4567mmに1933mm、1165mmだった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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