自然吸気V12の新型ハイパーカー ゴードン・マレー最新作 6億円超でも完売
公開 : 2025.08.20 18:45
ゴードン・マレー・オートモーティブ(GMA)の新部門から、少量生産の特別モデルとして『ル・マンGTR』と『S1 LM』が発表されました。サーキット走行に重点を置いた設計で、甘美なV12サウンドを奏でるとのこと。
新部門が手掛ける少量生産の特注モデル
ゴードン・マレー・オートモーティブ(GMA)は、米国カリフォルニアで開催されたモントレー・カー・ウィークで、T.50のロングテールバージョンと、マクラーレンF1 GTR LMのリメイクモデルを発表した。
この2台は、カスタムメイドを専門とする同社の新部門、ゴードン・マレー・スペシャル・ビークルズ(GMSV)が出かけた最初のモデルだ。ベントレーのマリナーやランボルギーニのアド・ペルソナムに相当する部門で、独自のスタイリングとメカニズムを持つ少量生産車の開発を担うことになる。

GMSVは3つの製品ラインを展開する。『SVデザイン』は限定生産の特別仕様車を開発し、『ビスポーク』は顧客からの注文に応じて1台だけのワンオフ車を製作。『ヘリテージ』は同社の会長であるゴードン・マレー氏が過去に設計したモデルをリメイクする。
ル・マンGTR
1台目は『ル・マンGTR』で、ハイパーカーのT.50をベースに、パワートレイン以外の「ほぼすべての要素」が変更されている。
T.50の自然吸気4.0L V12エンジンと6速マニュアル・トランスミッションはそのままに、何十年にもわたってル・マン24時間を支配してきたロングテールレーサーから着想を得た、特注のボディシェルを採用している。

ロングテールレーサーの特徴は、その言葉通り、ダウンフォースと空力効率を高めるための長いリアデッキだ。最高速度のわずかな差でレースの勝敗が決まるル・マンでは、非常に重要な要素である。
ル・マンGTRはここにインスピレーションを得て、空気抵抗を最小限に抑え、ダウンフォースを最大限に高めることに重点を置いて設計された。長く、低く、流線型のシルエットは、大型のスプリッター、スカート、ディフューザーによって「最大限のグラウンドエフェクト・エアロダイナミクス」を生み出すという。さらに、巨大な固定式リアウィングも装備されている。その結果、T.50に搭載されているファンを省略することができた。
リアディフューザーの2つのチャンネルの間には、新設計のエグゾーストシステムが配置され、「深くバランスの取れたV12サウンド」を届ける。ルーフマウントのエアインテークは、「1万2100rpmのフル回転域を堪能する際、オーケストラのようなキャビン体験をさらに高める」とされている。
また、シャシーも大幅に改良され、より剛性が高く軽量なサスペンション部品、ワイドトレッド、大径タイヤ、そして新しいエンジンマウントを採用することで、サーキットでの走行性能が強化されている。GMAによると、これらの改良によりダイナミクスが向上すると同時に、騒音や振動も低減されているという。
インテリアはT.50よりもサーキット指向だが、「インテリアの質感は維持されている」とのことだ。ダッシュボード、メーター、コントロール、ペダル、シートクッションはすべて新設計で、購入者の好みに合わせてカラースキームと素材をカスタマイズできる。
ル・マンGTRは、来年の納車開始に向けてすでにの開発が進行中だ。価格はまだ公表されていないが、310万ポンド(約6億2000万円)のT.50 Sニキ・ラウダよりも高くなるだろう。そして、24台のみの限定生産だが、スーパーカーディーラーのジョー・マカリ社を通じてすでに完売している。
画像 ゴードン・マレー氏の過去作に着想を得たV12ハイパーカー【GMAのル・マンGTRとS1 LMを詳しく見る】 全16枚


















