ディスカバリー・スポーツ vs X3 vs XC60 vs サンタフェ

公開 : 2015.03.23 18:14  更新 : 2021.03.05 21:39

11ヶ所におよぶスピーカーやヒーター/クーラー付きシートを含んだ価格とはいえ、4気筒ディーゼルを搭載したSUVに770万円と言う価格には疑問符がついてしまう。これは決して筆者だけのことではないだろう。

対するボルボはATの場合£34,010(609万円)、ヒュンダイは£35,430(635万円)、BMWは£35,370(633万円)となる。もっともそれぞれがオプションを追加すれば、ディスカバリー・スポーツの価格まですぐに上がるのだが。

その結果、最終的な購入価格はBMWが約£44,000(788万円)、ボルボが£40,000(716万円)まで跳ね上がっており、唯一ヒュンダイだけが£36,000(645万円)というお財布に優しいプライス・タグを掲げていた。

では、価格に対する装備の充実ぶりはどうか?

これに関してはディスカバリー・スポーツの勝利。ディスカバリー・スポーツに並ぶ装備レベルを他のモデルにも選ぼうと思えば、どれも770万円では足りない価格に跳ね上がってしまう。

いよいよステアリングを握った印象に移りたいと思う。メンベリーのサービスエリアを抜けて、一行が足を伸ばしたのは、スウィンドンの南部にある田舎町である。

ここでは、ディスカバリー・スポーツの ’スポーツ’という名にし負う結果が明らかになる。

ポルシェ・マカンに敵わないのは事実だが、引き締まったサスペンションと、逞しいステア・フィールのおかげで、九十九折がとにもかくにも楽しいのだ。

路面は霙や雨、泥で覆われていたが、強大なグリップは失われることはなく、ステアリングのもたらす精緻なフィールと相まって非常に安定した身のこなしに徹した。

コーナーから勢いよく脱出しようとすると、想定の範囲内でアンダーステアが顔を出す。この時、外輪がグッと踏ん張ってくれるため、ズルリと足元を救われることなく常にフラットであり続ける。

次々と現れる、曲率の小さいコーナーに向けてステアリングを切り込めば、切り込んだ分だけ鼻先が向きを変える。こちらのしたいすべてを受け入れてくれるのだ。それもかなり冷静に、懐深く、である。

これほど優れた足腰に玉に瑕なのがパワートレイン。2.2ℓディーゼルが引き出す、191psと42.9kg-mと言うう数値は、クラスに対してあまり満足のいくものではない。

1750rpmという比較的低い回転域から最大トルクが供給されるため、ひとたび速度に乗れば、あとはまずまずのペースで走らせることもできるが、その際にはエンジン音がなかなかの音量になっている。振動も然りだ。

9速のオートマティック・ギアボックスもまだまだ良くなる余地があると思う。スタンディング・スタート時からギアが変速に迷うきらいがあり、望む瞬発力が得にくいのも否定しない。

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