熱管理でEVのレアアース使用量削減へ コンチネンタルが開発、モーター用温度センサーの仕組み
公開 : 2025.09.04 06:45
EVの電気モーターの温度を正確に測定することで、レアアース使用量の削減につなげる。そんな新技術をコンチネンタルが開発しました。ごく小さなセンサーにより、初めてモーター内温度の直接測定を可能にしました。
微小なセンサーで精度を大幅向上
内燃機関と同じように、EVにおいても「熱」の管理は動力性能と健全性に大きく関わる。
この点を踏まえ、コンチネンタルは『e-Motor Rotor Temperature Sensor(eRTS)』と呼ばれる装置を開発した。ソフトウェアベースのシミュレーションよりも正確に温度を監視し、永久磁石同期モーターに使用されるレアアースの量を削減できると期待されている。

バッテリー、モーター、インバーターは、いずれも電力によって熱を発生し、その大半は液体冷却方式を採用している。
ほとんどのEVは、ローターにレアアース磁石を埋め込んだ永久磁石モーターを使用している。一部のメーカーはこの永久磁石を電磁巻線に置き換えているが、高出力と高効率を実現する手段としては、従来からレアアース永久磁石が主流だった。
しかし、その採掘と加工による環境への影響は甚大だ。現在の地政学的混乱も供給懸念を高めており、大半が中国産であるため、磁石を使用しない非同期モーターのような代替技術や、使用量の削減が求められる。
永久磁石にも弱点がある。過熱だ。磁化された材料がキュリー点と呼ばれる特定の温度(材料によって異なる)に達すると、磁気が失われる(減磁)。EVモーター内の磁石でこれが起これば、少なくとも性能は低下し、最悪の場合モーターが故障してしまう。
現在、ローターの熱は直接測定されるのではなく、シミュレーションベースで開発されたアルゴリズムと、ステーター(ローターを囲む動かない巻線)のセンサーが記録した温度に基づいて計算されている。
温度が間接的な計算によって算出されるため、メーカーはアルゴリズムによる算出値に摂氏15度というかなり大きな誤差幅を設けている。EVローターの温度は約150度まで上昇し得るため、磁石の減磁を防ぐには、過熱しないよう十分な量のレアアースを使用しなければならない。
温度センサーを使用すれば精度が大幅に向上する。誤差範囲をわずか3度に縮小でき、レアアース材料の使用量を削減できるのだ。
コンチネンタルのeRTSは他にも優れた機能を備えており、自己発電も可能だ。eRTSは大きく分けて2つの部分で構成されている。1つはローターに埋め込まれたモートセンサー(微小なセンサー)で、磁石の温度を感知する。
2つ目は、モーター筐体の外側に設置されたトランスデューサー(あるエネルギーを別のエネルギーに変換する装置)だ。ピエゾ超音波により、モートは微小な電力をワイヤレスで生成し、温度データを送信できる。
時には、ごく小さなものが大きな意義を持つことがあるということだ。


