1日で5479kmの新記録 1360psのメルセデスAMG GT XX 次期GT 4ドアクーペへ技術継承

公開 : 2025.08.26 14:35

メルセデスAMGの電動プロトタイプが299km/hで走行し、1日5479kmの新記録 4万kmは8日で走破 合計1360psの3モーター・ドライブトレイン GT 4ドアクーペへ技術は継承

24時間で5479.8kmを走ったGT XX

次期メルセデスAMG GT 4ドアクーペの前触れとなるプロトタイプ、GT XXがバッテリーEVとして新たな記録を樹立した。イタリア南部のナルド・テストコースで達成したのは、24時間で3405マイル(約5479.8km)を走るという長距離記録だ。

円形のコースを299km/hで走行し、停止したのは急速充電時のみ。2025年8月上旬に、中国のシャオペンはP7で3944kmという記録を打ち立てているが、1か月も経たない内に更新されたことになる。

メルセデスAMG GT XX(コンセプトカー)
メルセデスAMG GT XX(コンセプトカー)

これは、メルセデスAMGが8日間に渡って実施した、2台のGT XXによる大規模なテストで生み出した記録の1つ。12時間と48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、168時間の耐久記録も塗り替えている。

更に2000マイル(約3218km)と5000マイル(約8047km)、1万マイル(約1万6093km)、1万5000マイル(約2万4140km)、2万マイル(約3万2187km)、2万5000マイル(約4万234km)の距離記録も更新したという。

地球1周に相当する距離を8日で走破

GT XXの新記録では、地球1周に相当する距離、2万4907マイル(約4万83km)を8日間で走ったことも注目に値する。これはジュール・ヴェルヌ氏の有名な小説へちなんで、「80日で世界1周」を掲げて挑戦された。

運転したのは、メルセデスAMGのGT3マシンを駆る精鋭ドライバー17名と、F1ドライバーのジョージ・ラッセル氏。8時間のスティントを、3交代で担当したそうだ。

メルセデスAMG GT XX(コンセプトカー)
メルセデスAMG GT XX(コンセプトカー)

さらなる高速走行も可能だったが、初期の試走とシミュレーションに基づいて基本の周回速度は決められた。299km/hが、速さと充電との最適なバランスだったという。

8日間のテストへ挑んだスタッフは、総勢100名以上。メカニックなどに加えて、メルセデスAMGの本社からは、充電戦略を管理するチームも加わっている。1970年代のプロトタイプ、C111での挑戦を継承したものともいえるだろう。

合計1360psの電動ドライブトレイン

メルセデスAMGのCEO、ミヒャエル・シーベ氏は、記録更新で核となったのは、先進的な電動ドライブトレインだと主張する。前へ1基、後ろに2基のアキシャルフラックス・モーターを搭載し、制御電圧は800Vで、合計1360psを発揮するシステムだ。

850kWから900kWの急速充電能力を活用した戦略が、貢献したとも続ける。駆動用バッテリーは、同社のF1パワートレイン部門の協力を得た自社開発。セルは円柱形で、容量は114kWh。40Lのフルードに浸され、直接冷却されている。

メルセデスAMG GT XX(コンセプトカー)
メルセデスAMG GT XX(コンセプトカー)

理論上、5分で400km相当の電気を蓄えることが可能だという。「圧倒的なパフォーマンスと超高速な充電が、記録達成を可能にしました。将来の電動モデルのお客様にとっては、真のAMGを手に入れられることを意味します」。とシーベ氏は述べている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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