【2ドアか5ドアか】6代目ホンダ・プレリュードがついに発売!シビック・タイプRと同価格で究極の選択発生?

公開 : 2025.09.04 11:00

9月4日、6代目ホンダ・プレリュードがついに発売開始されました。価格は617万9800円と同日に改定となったシビック・タイプRと同価格で、同門ライバルが誕生したとも言えます。大谷達也によるモデル解説です。

新しいプレリュードの走りの原点

9月4日に発売開始となった6代目『ホンダプレリュード』。そのグランドコンセプトは『UNLIMITED GLIDE(滑るように、果てしなく進む)』で、GLIDE(グライド)はグライダーと同じ語源を持つ言葉である。

上昇気流を得て空中を舞うグライダーは、ときに数時間、数100kmも滑空できるほか、アクロバティックな飛行も可能という。つまり、『風』というクリーンなエネルギーを生かして自由自在に空を飛ぶグライダーが、新しいプレリュードの走りの原点というわけだ。

9月4日に発売開始となった6代目『ホンダ・プレリュード』。
9月4日に発売開始となった6代目『ホンダ・プレリュード』。    本田技研工業

ここから推測されるのは、同じホンダでも『シビック・タイプR』のようなアグレッシブなスポーツ性能を追求したクルマではないということ。もちろん、2ドアクーペならではの軽快な走行性能は備えつつも、より快適性重視の洗練された走りを目指したことがうかがわれる。

そうした視点で新型プレリュードのエクステリアデザインを眺めると、クリーンで無駄がなく、流麗な曲線でまとめ上げられたスタイリングがグライダーと通じているように思えるから不思議だ。

2ドアクーペながらロングノーズショートデッキではなく、どちらかといえばキャブフォワードとされたプロポーションも、コクピットを機体の前端に据えたグライダーを想起させるといえないこともない。

シビック・タイプRと共通のテクノロジーを投入

ボディのディメンジョンで注目されるのは、ホイールベースがシビックに比べて135mmも短い点にある。5ドアハッチバックとしての居住性が求められるシビックより、2ドアクーペとしての軽快さが求められるプレリュードのホイールベースが短いのは当然かもしれない。

しかし、プレリュードは大胆なファストバックスタイルでありながら180cm級の長躯が後席に腰掛けられるというから、そのパッケージングはなかなか巧みだ。

2.0リッター直噴ガソリンエンジンにホンダ独自の2モーター式スポーツハイブリッドを組み合わせる。
2.0リッター直噴ガソリンエンジンにホンダ独自の2モーター式スポーツハイブリッドを組み合わせる。
    神村聖

サスペンションまわりには、シビック・タイプRと共通の贅沢なテクノロジーがふんだんに投入されている。フロントサスペンションはタイプRと同じデュアルアクシスストラット式を採用。直進性に有利なハイキャスターとしつつも、大舵角時にも安定した接地性を生み出すジオメトリーを実現したという。

また、減衰力を電子制御できるZF製ダンパーをタイプRに続いて搭載。その制御に、サスペンションの実ストロークを検知するストロークセンサー、そして前後、左右、上下にヨーレートもくわえた4次元の加速度を検出するセンサーを活用するというハイスペックな制御システムも基本的にタイプRと共通とされた。

ただし、そのセッティングはエクストリームな性能を追求したタイプRとは異なり、思いどおりに操れるハンドリングと快適性を両立させた点がプレリュードの特徴とされる。

いっぽうのパワートレインはシビックe:HEVと基本的に同じで、2.0リッター直噴ガソリンエンジンにホンダ独自の2モーター式スポーツハイブリッドを組み合わせたシステムを搭載する。

エンジンの最高出力が141ps、モーターの出力が184psとされている点もシビックe:HEVとまったく同じ。WLTCモード燃費もシビックe:HEVの24.2km/Lに迫る23.6km/Lを達成している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大谷達也

    Tatsuya Otani

    1961年生まれ。大学で工学を学んだのち、順調に電機メーカーの研究所に勤務するも、明確に説明できない理由により、某月刊自動車雑誌の編集部員へと転身。そこで20年を過ごした後、またもや明確に説明できない理由により退職し、フリーランスとなる。それから早10数年、いまも路頭に迷わずに済んでいるのは、慈悲深い関係者の皆さまの思し召しであると感謝の毎日を過ごしている。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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