最新 ホンダ・プレリュードへチョイ乗り サスはタイプRの派生版 一体感を増す疑似変速

公開 : 2025.07.16 19:05

シビックを土台に復活するクーペ、プレリュード サスはタイプRの派生版 滑らかな加速とリアルな回転数の変化 優しい乗り心地に機敏な旋回 一体感を増す疑似変速 UK編集部が試作車へ試乗

11代目シビック e:HEVの技術を流用

ホンダプレリュードが復活する。今回は英国のサーキットで、試作車への試乗が許された。このFFクーペへ期待されている読者は、少なくないのではないだろうか。

新しいプレリュードは、11代目シビックのプラットフォームを流用。自然吸気の2.0Lエンジンと電気モーターによる、ハイブリッド・システム「e:HEV」も共有する。興味深い点は、市街地など軽負荷時には、エンジンは専ら発電機として働くことだろう。

ホンダ・プレリュード(プロトタイプ)
ホンダ・プレリュード(プロトタイプ)

日常的な場面でフロントタイヤを回すのは、約180馬力の駆動用モーター。ただし、エンジンを定速で回し続けるのは運転体験でプラスではないと考え、変速を模した制御が実装されている。加速時のエンジンの回転数は、AT車のように段付きで変化する。

さらにプレリュードでは、S+シフトと呼ばれる機能をe-CVTが獲得。シビックと異なり、8速ATのように、擬似的な変速をドライバー自ら楽しめるようになる。

サスペンションはタイプRの派生版

シビック e:HEVと同様に、高負荷時などにはロックアップクラッチが接続。エンジンとフロントアクスルが結ばれ、駆動力が展開される仕組みも同じ。その場合は、実際に8速ATのようにe-CVTは振る舞う。

ドライブモードは、3種類を用意。コンフォートかGT、スポーツから選択でき、後者になるほどエンジン音が強調され、動的特性も変化する。

ホンダ・プレリュード(プロトタイプ)
ホンダ・プレリュード(プロトタイプ)

サスペンションは、シビック・タイプRの派生版。快適性を重視し、スプリングとアンチロールバーのレートは低く調整されたという。ホイールベースは短く、前後の重量配分は僅かに後方へずれるそうだ。

タイヤも、タイプRよりマイルド志向。試乗車には、235/40 R19のコンチネンタル・プレミアムコンタクト6が組まれていた。車重は、1450kgから1500kgの間になるとか。

至極滑らかな加速 リアルな回転数の変化

試作車ということで、技術的な詳細は明らかではないが、少なくともパワートレインは好調に機能していた。電気モーターが走らせるから、加速は至極滑らか。ロックアップしていない場合でも、シフトアップは驚くほどシームレスだ。擬似的だから。

回転数の変化も、相当にリアル。レブリミットは6000rpmと高くないが、従来のクルマに慣れ親しんできた人には、自然な振る舞いに感じられるように思う。サーキットでは、擬似的にでも変速できた方が、速度管理しやすいようだ。

ホンダ・プレリュード(プロトタイプ)
ホンダ・プレリュード(プロトタイプ)

減速時には、回生ブレーキが介在するものの、違和感なし。ペダルを踏んだ感触はソリッドで、制動力が徐々に高まっていく。

公道での走りは確かめられていないが、サーキットより訴求力のある体験なはず。コンフォート・モードで1周した限り、変速ショックをまったく伴わない、従来のAT車に乗っているような感覚だった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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