世界の愛好家から注目される貴重な「廃車」 40選(前編) ジャンクヤード探訪記
公開 : 2025.09.28 11:05
米国の巨大ジャンクヤードを巡り、スクラップ同然のクルマにレンズを向ける探訪記シリーズ。今回は、世界中のクラシックカー愛好家にとって「聖地」とも言える廃車解体場で見つけた1940~80年代の逸品を紹介します。
もくじ
ー米国最大級のジャンクヤード
ーフレンチレイク・オートパーツについて
ーAMCマーリン(1967年)
ーラサール(1940年)
ービュイック・ルセイバー(1964年)
ーキャデラック(1938年)
ーフォルクスワーゲン・ビートル
ーカイザー(1950年)
ーポンティアック・ルマン(1970年)
ーキャデラック・エルドラド(1969年)
ーフォードLTD(1977年)
ーマーキュリー・コメット(1972年)
ーキャデラック・セビル(1980年)
ージャガーXJ-S(1983年)
ーポンティアック・フィエロ(1984年)
ーエドセル・コルセア(1959年)
ーMG MGB(1970年)
ーフォード(1949年)
ービュイック・スーパー(1949年)
ーキャデラック・ドゥビル(1965年)
ーシボレー・ベルエア(1957年)
米国最大級のジャンクヤード
1956年の創業以来、『フレンチレイク・オートパーツ(French Lake Auto Parts)』は米国有数の廃車解体場として名声を確立し、「ジャンクタウンUSA」という愛称で親しまれてきた。今や世界中のクラシックカー愛好家にとって必見の場所となっている。
ミネソタ州にあるこの広大なジャンクヤードには、1920年代から現代まで数千台の車両が保管され、レストア用あるいは部品取りとして製造年ごとに丁寧に整理・分類されている。フレンチレイク・オートパーツクは配送サービスも提供しているが、実際に足を運んで探索する体験に勝るものはない。

わたし達取材班が見つけた、興味深いクルマをいくつか紹介しよう。
フレンチレイク・オートパーツについて
ここフレンチレイク・オートパーツを訪れた人は、歴史あるクルマがずらりと並ぶ中を歩き回り、整然と配置された部品の中から隠れた逸品を見つけ出すことができる。クラシックカーのファンなら、少なくとも一度は訪れる価値のある場所だ。
このジャンクヤードについては以前も取り上げたことがある。詳しくは、2024年12月28日に掲載した記事【旧車愛好家の「聖地」で眠る珍しい廃車 40選 ジャンクヤード探訪記】をお読みいただきたい。

AMCマーリン(1967年)
AMCマーリンは、その海洋を思わせる名前が印象的だが、最初からこの名で呼ばれていたわけではない。当初はランブラー・ターポンとして販売されていたが、速く優雅に泳ぐマーリン(カジキ)にちなんでブランド名を変更し、スピード感と優美なイメージを強調した。流線型のファストバックデザインは確かにその名に恥じないもので、1960年代中盤のマッスルカーとは一線を画す存在だった。
自動車業界に波紋を広げたものの、AMCが期待したほどの販売成功には至らなかった。この個体は超希少な1967年式で、同年は生産最終年ということもあり、わずか2545台しか販売されなかった。

ラサール(1940年)
ラサールはゼネラルモーターズ(GM)傘下のブランドで、キャデラックと低価格ブランドとの間を埋めるものとして設立された。1940年にはブランド史上2番目の販売台数となる2万4133台を記録した。しかし、こうした成功もブランド存続には至らず、GMは1940年末をもってラサールの生産終了を決定。13年にわたる歴史に幕を閉じた。


























