マツダMX-5(ロードスター)誕生秘話(1) MG TDと偶然の出会い 考えを構築したMGA
公開 : 2025.10.12 17:45
ファミリアやルーチェ、RX-7の技術を流用
ボブが続ける。「その出来事が、ミアータ(ロードスター)になるクルマを考え始めたきっかけですね」。510を購入してから10年後、自動車ジャーナリストとして働いていた彼は、マツダの技術者、山本健一氏と温めていたアイデアを共有したという。
2年後の1981年、彼はマツダが新設したカリフォルニアのデザインセンターへ登用。サルーンとピックアップトラックの業務の他に、後にロードスターとなる、FRスポーツカーのコンセプト開発も託された。

進展はゆっくりだったが、1984年にグレートブリテン島南部、ウェスト・サセックス州のインターナショナル・オートモーティブ・デザイン社へ、試作車の製作が発注される。当時のマツダ323(ファミリア)や929(ルーチェ)、RX-7の技術を流用して。
ちなみに同時期、マツダはFFとミドシップのツーシーター・スポーツの開発にも取り組んでいた。前者はMX-3(ユーノス・プレッソ)として量産化。後者はトヨタが一足先にMR-2を発売し、中止へ追い込まれている。
エラン・タイプ26の走行音を収録
FRのスポーツカーは、設計が本格化。マツダの開発主査だった平井敏彦氏は、理想的なサウンドをボブへ電話で確かめた。そこで彼が準備したのが、TVドラマシリーズ「アベンジャーズ」へ登場する、エラン・タイプ26の走行音を収録したテープだった。
「(女優のダイアナ・リッグ氏が演じた)エマ・ピールが運転するシーンで、BGMがないものを録音しました。シフトアップやシフトダウンなど、すべてのノイズを」

この続きは、マツダMX-5(ロードスター)誕生秘話(2)にて。

























































































































