昇天級のレッドライン マクラーレン570 S UK中古車ガイド 価格以上のV8スーパーカー

公開 : 2025.10.06 19:05

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フィル・ロビンソン氏

「997型のポルシェ911を手放し、570 Sを購入しました。P1と同じカーボン製シートにバング&オルフセンのステレオ、アルカンターラ内装など、魅了される内容にあります。スーパーカーとして、価格以上の価値を備えていると思いますよ」

マクラーレン570 S(2016〜2021年/英国仕様)
マクラーレン570 S(2016〜2021年/英国仕様)

「V8エンジンはレスポンシブで、10秒あれば200km/hへ迫れます。定期整備は正規ディーラーでも1600ポンド(約32万円)と、維持費は驚くほど現実的な範囲です」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

点火プラグや燃料インジェクターの不調は、ミスファイアの原因。アイドリングの安定性や、発進時のパワーデリバリーの滑らかさに注意したい。

トランスミッション

クラッチの滑りや変速のもたつきは、珍しい不具合ではない。稀に偶数のギアしか選択できなくなる場合もあるが、フラッシングなどのメンテナンスで解消できる。

ガラス

マクラーレン570 S(2016〜2021年/英国仕様)
マクラーレン570 S(2016〜2021年/英国仕様)

前後のウインドウは軽量ガラス製。強い応力を受けると、ヒビが入ることがある。

ボディとホイール

アルミ製のドアや前後のフェンダー、エンジンカバーなどの腐食を確かめたい。塗装前の耐腐食処理が不充分な例があった。ノーズリフト機能がない場合は、フロントスプリッターの割れに注意したい。

ダイヤモンドカットのアルミホイールは、腐食で白いシミが出がち。垂直に立ち上がるディヘドラルドアは、思わぬ擦り傷を招きがち。

サスペンション

低速域でゴツゴツと異音が出る場合は、劣化したフロントダンパーが原因のことが多い。部品は安くなく、リビルド品でも1500ポンド(約28万円)ほどする。

知っておくべきこと

570には、オープンのスパイダーもある。クーペより46kg重いが、音響と開放感で報いてくれる。英国にはマクラーレンを得意とする独立系ガレージが多く、維持費の抑制を助けてくれるはず。

英国ではいくら払うべき?

6万5000ポンド(約1386万円)〜7万9999ポンド(約1583万円)

英国では、走行距離が3万kmから5万kmの範囲の570 Sを探せる価格帯。整備履歴がしっかりしている例が殆ど。

8万ポンド(約1584万円)〜10万9999ポンド(約2177万円)

オプションが充実した選択肢が増え、570 GTも候補に加わる。価格帯の後半には、スパイダーも含まれる。

11万ポンド(約2178万円)以上

マクラーレン570 GT(2018年式/英国仕様)
マクラーレン570 GT(2018年式/英国仕様)

走行距離はまちまちだが、概ね極めて短い。MSOの特注オプションで仕上げられている例も出てくる。塗装のプロテクションフィルムは、うれしい装備だ。

英国で掘り出し物を発見

マクラーレン570 GT(英国仕様) 登録:2018年 走行距離:9700km 価格:9万2850ポンド(約1838万円)

ボルケーノ・レッドが目を引くGT。正規ディーラーでの整備記録が揃い、2か月前にも点検・整備を受けている。鍛造アルミホイールが能力の高さを主張し、カーボンファイバー製トリムが各部を引き締める。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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