名門はどう変わったのか? モーガン・スーパースポーツ(1) 歴代最大の革新ハードに迫る
公開 : 2025.09.10 19:05
歴代最大の革新といえるスーパースポーツ エンジンはBMWの直6 モダンでも誰の目にもモーガン 加速はマスタング・ダークホース以上 雲泥の差のステアリングやブレーキ UK編集部が試乗
歴代最大の革新 エンジンはBMWの3.0L直6
英国の伝統ブランド、モーガンはここ20年で目覚ましく変化した。21世紀が始まった頃、同社のロードスターは正確性に欠ける操縦性と、頼りないブレーキが足を引っ張っていた。2012年のプラス8でも、期待には届いていなかった。
しかし、2020年に新しいアルミニウム製プラットフォームを開発。プラスフォーとプラスシックスは毎年のようにアップデートされ、着実に実力は磨かれてきた。

そして歴代最大の革新といえるのが、スーパースポーツ。エンジンはBMW由来の3.0L直列6気筒ターボで、当初はプラスシックスのマイナーチェンジ版として作業が進められていたらしい。だが、完全な新モデルとして日の目を見ることになった。
アルミ製プラットフォームは、CXからCXVへ進化。前後のサブフレームを含めて、シャシー単体の重さは102kgしかない。各部の補強で、ねじり剛性は10%向上している。だが、木製フレームへアルミ製パネルが貼られるボディ構造に、変わりはない。
誰の目にもモーガン でも遥かにモダン
サスペンションも、取付部分の剛性が2倍に。前側は、ネジ調整でキャンバー角を変更可能。後ろ側はアンチロールバーが標準で、加速時の沈み込みを抑えるアンチスクワット設計を得ている。ナイトロン社製のコイルオーバーキットも、オプションで組める。
アルミホイールは、通常でも18インチの鍛造品で、重さは10.8kg。オプションの19インチ鍛造では、9.7kgへ減量できる。従来品より数kgほど軽い。タイヤは、ミシュラン・パイロットスポーツ5が指定される。

スタイリングは、誰の目にもモーガンだが、遥かにモダン。前後のバンパーには、オーバーライダーを想起させるアルミのインサートが備わる。他方、低いフロントガラスが、3本のワイパーで拭き取られるのはこれまで通り。
ヘッドライトは滑らかにボディへ統合され、ボンネットにはルーバーがない。巨大なリアウインドウが一体のルーフはカーボン製で、優雅な後ろ姿を生んでいる。表面が平滑化され、空気抵抗は5%低減したという。それを示すCd値は0.44と、小さくないが。
悪くない実用性 運転席からの視界は期待通り
インテリアは、一見するとプラスシックスと大きく違わないようだが、既存のオーナーなら付き合いやすくなったことへ気付くはず。シート後方には、カバンを置ける余地がある。グローブボックスも使える大きさだ。
アクリル製サイドウインドウの脱着はレバー式になり、金具を引っ掛けていた従来より遥かに簡単になった。外したら、専用カバーに入れて荷室へしまえる。その荷室は、サイドウインドウを積むと満たされてしまうが、実用性は悪くない。

運転席からの眺めには長いボンネットがかかり、期待通りのモーガン。後方の視界も驚くほど広い。内装の仕立ては上等で、高級感は同社の過去にないレベル。奥深い艶のレザーにウッド、テキスタイルが巧みにコーディネートされ、印象は素晴らしい。



































































































































