ファンからの要望強く スマート『フォーフォー』後継車導入か 4人乗り小型EV検討中

公開 : 2025.09.27 06:45

スマートは、『フォーフォー』の後継車となる4人乗りの小型EVの開発を検討しています。近年ニーズが高まりつつあるセグメントであり、従来のファンからの要望も強いとのこと。発売が決まれば、車名は#4となる見込みです。

車名は『#4』に?

スマートは、フォーフォーの後継となる新型の4人乗りコンパクトカーの導入を検討中だ。2026年発売予定の『#2』とプラットフォームを共有する見込みだ。

導入が決まれば、メルセデス・ベンツと吉利汽車が共同所有するスマートブランドのラインナップ刷新が完了する。現在、スマートは欧州や中国向けにクロスオーバーの#1と#3、SUVの#5を展開している。

2020年代初頭に生産終了したスマート・フォーフォー
2020年代初頭に生産終了したスマート・フォーフォー

スマートの欧州部門CEO、ディルク・アデルマン氏は9月上旬に開催されたミュンヘン・モーターショーでAUTOCARの取材に応じ、フォーフォー後継車の具体的な発売計画は「現時点ではない」としつつも、検討中であることをほのめかした。従来型のフォーフォーは2021年に生産終了している。

人気モデルのフォーツーの後継である#2と同様、欧州市場向けに設計・開発され、同じ基本構造を採用する見込みだ。

デザインは#2を踏襲するだろう。#2はまだシルエットしか公開されていないが、アデルマン氏は「(フォーツーの)後継車としてふさわしい外観が必要」と述べている。

車名としては、現在のブランドの命名戦略に沿って『#4(ハッシュタグ4)』となる可能性が高い。

#4の開発はまだ正式承認されていないが、アデルマン氏によると、#2専用プラットフォームの巨額の開発コストを回収するには同車が必要だという。

また、アデルマン氏は#2のプラットフォームではデュアルモーター構成を採用する可能性が高いことを認めたが、その他の仕様詳細は明かさず、「エンジニアリング部門に提示した要望には、非常に小さな旋回半径(フォーツーと同等)が含まれています。これは都市中心部で真に実用的なクルマにするためです」と付け加えた。

このプラットフォームは、スマートとしては初めて欧州市場を主眼に置き、吉利汽車とメルセデス・ベンツによって共同開発されている。既存の#1、#3、#5はいずれも吉利汽車がエンジニアリングを担当し、メルセデス・ベンツがデザインを行った。

新型#2と構造共通化

アデルマン氏はまた、来年の発売が確定した#2の詳細についても言及した。

車名とは裏腹に、#2は既存の#1(2万9960ポンド=約600万円)より下位に位置するスマート最小のEVとなる。

新型『#2』のシルエットを示す予告画像
新型『#2』のシルエットを示す予告画像    スマート

このようなネーミング戦略が購入者にとって混乱を招くのではないかとの質問に対し、アデルマン氏はこう答えた。「スマートの命名規則は少々変わっています。偶数番号はSUV以外のモデルに割り当てています。そのため、SUV以外のボディタイプで最小のものは#2となります。確かに#1より番号は大きいですが、それでいいのです」

フォーツーの後継車構想は2019年から始まっていたという。

「主な課題はコストでした。2019年にはすでにビジネスモデルの検証を行っていましたが、ようやく現実的な解答を見出しました」

「ブランドにとってのアイコン的な存在、あるいは代表的なモデルがなくても生き残れます。ブランドの核とまでは言いませんが、それでも非常に大きな要素であることは確かです」

ただし、アデルマン氏は市場投入が「遅れた」ことも認めている。「実現可能性を常に模索していましたが、予想より3年長くかかりました。ですが、遅れてもやらないよりはましです」と語った。

「欧州には220万人のフォーツーとフォーフォーの顧客がおり、2人乗りモデルの進化版を心待ちにしています。過去2年間、販売網からもフォーツーの後継車を求める声が絶えませんでした」

#2の発売とほぼ同時期に、スマートは#1と#3の改良を実施する。アデルマン氏によれば、ハードウェアの変更に焦点を当てたアップデートが行われるという。これに続き、2027年には「さらに大規模なフェイスリフト」が行われる予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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