マカン似の電動SUVがUKへ スマート#3 ブラバスへ試乗 路面を掻きむしる428ps

公開 : 2025.03.06 19:05

メルセデスのチューニングで名を馳せた、ブラバスを冠した電動クロスオーバー マカンにも似たスタイリング 路面を掻きむしるように突進する428ps 航続415km 英編集部が評価

ブラバスとスマートの名を冠したクロスオーバー

もはや、400馬力超えのバッテリーEVと聞いても驚かない、という読者は多いはず。数年前までは、200馬力台のFFホットハッチでも、興奮していたにも関わらず。

電気モーターは、簡単に内燃エンジンを凌駕するパワーを引き出せる。スマート#3 ブラバスが428psだとしても、桁外れの性能だとは感じなくなってしまった。

スマート#3 ブラバス(英国仕様)
スマート#3 ブラバス(英国仕様)

だが、ブラバスとスマートの名を冠しながら、全長4400mmのクロスオーバーなことに、まだ納得できないという人はいらっしゃるだろう。ちなみに、ひと回り大きい、フォルクスワーゲンティグアン級の#5も控えている。

4段階の設定があるスマート#3で、トップグレードとなるのがブラバス。英国価格は、4万6450ポンド(約906万円)とお安くはない。通常の#3はシングルモーターの後輪駆動だが、フロント側にも156psを発揮する2基目が追加され、四輪駆動となる。

リア側のモーターは271psで変わらず、最高速度は180km/hながら、0-100km/h加速は3.7秒。より引き締まったサスペンションが与えられ、敏捷性も磨かれている。パフォーマンス重視のアップグレードは、ブラバス的といっていい。

プラットフォームは、ボルボEX30とも共有するSEA。駆動用バッテリーの容量は62kWhで、航続距離は415km。急速充電は、最大150kWへ対応するとのこと。最短30分で、残量10%から80%へ回復できる。

ポルシェ・マカンにも似たスタイリング

見た目の印象は、従来のスマートとはかけ離れている。メルセデスAMGポルシェ911をベースにした、ロードゴーイング・レーサーともまったく異なる。それでも、通常の#3よりアグレッシブな雰囲気を僅かに醸し出している。

スタイリングは、ポルシェ・マカンにも似ていなくはない。電話で特徴を説明したら、どちらも同じような表現になるかもしれない。これを描き出したのは、メルセデス・ベンツ。スマートの共同親会社である、ジーリー・ホールディングスではない。

スマート#3 ブラバス(英国仕様)
スマート#3 ブラバス(英国仕様)

その結果、全体的なまとまりは良い。エアインテークがボンネット先端に開けられ、スポイラーやディフューザーなどをまとい、アルミホイールは20インチと大径。ルーフはツートーンで塗装される。細部のレッドのアクセントが効いている。

インテリアには、マイクロファイバーが積極的に採用される。こちらも、レッドの差し色が効果的。ステアリングホイールは、アルカンターラで巻かれる。それ以外、造形的には通常の#3と変わりはないが。

車内は開放的で、足元も頭上にも余裕がある。リアシート側も、傾斜したルーフラインにも関わらず広い。荷室容量は370Lだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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