最近のマツダ話、MX-30ロータリーEV後編【日本版編集長コラム#49】

公開 : 2025.09.28 11:45

裏地にこだわるみたいな話

街中での乗り味は、車重のせいか足が硬めで、少しどたばた感がある。また、これは相性の問題だが、シートも腰と太ももの張りが気になった。室内でいうとエアコンの温度調整が左右独立式でないのが実に惜しく、せっかく液晶パネルなのに……と思ってしまった。

一方で、筆者の自宅がある静岡県東部の街中では、ちょうどいいボディサイズだった。いい意味で目立ち過ぎない、シックなボディカラーとインテリアの組み合わせも良好。体を回り込ませずにリアシートへ荷物を放り込めるのも利点で、2名での使用ならいいパッケージだと思う。

『フリースタイルドア』と呼ばれる、センターオープン式の前後ドアを採用。
『フリースタイルドア』と呼ばれる、センターオープン式の前後ドアを採用。    平井大介

パドルで2段階調整ができる回生ブレーキは、効きが自然でちょうどよい塩梅。ちなみにマツダは、最後はドライバーにブレーキを踏ませるという考え方の元、「ワンペダルはやらない」とMX-30EV取材の際にエンジニアが明言していた。

さて、MX-30の販売が成功かと聞かれれば、それは現段階ではノーだろう。いくつかネガを書いてしまったが、新しいことに挑戦する気持ちや姿勢が強すぎて、「こういうクルマを作りたい」というストレートなメッセージが伝わってこないのが、そのまま販売台数に反映されている気がする。REを搭載するのも、裏地にこだわるみたいな話になってしまうのだ。

そこはかとなくエチュード感

ここで思い出したのは、1980年代後半にファミリアをベースとしたスペシャルモデル、『エチュード』だった。本流に対するひとつのハズシは、いつの時代も存在するもので、実はそういうクルマが大好物な筆者は、当時エチュードも好きだった。免許を持っていたら、購入検討リストに入っていたかもしれない。

今回MX-30ロータリーEVに乗っていていろいろと気にはなったが、「このクルマ何だか好き」と思ったのはどこか『エチュード感』があるからで、そういう目線で見るとスタイリングもどこか似ているではないか。だから好きなのか!

いろいろと気にはなったが、「このクルマ何だか好き」と思った。
いろいろと気にはなったが、「このクルマ何だか好き」と思った。    平井大介

販売面だけを考えれば、REを組み合わせたPHEVを展開するのはCX-5CX-30が最適だったように思う。しかしそう結論付けるのは時期尚早で、MX-30における真の成果や意義は、判断を数年後まで待つ必要があるだろう。

そしてマツダの話、これでは終わりません。次回に続きます。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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