【フルモデルチェンジ級の大幅改良】新型スズキ・クロスビーに込められた開発者たちの思いを聞く!

公開 : 2025.10.02 11:05

本物の革のように

インテリアはどうだろう。インテリアを担当した中澤直人さんは、こう述べている。

「マインドサファリという内外共通のコンセプトでデザインしているのですが、インテリアはこういうイメージ(画像参照)で、このクルマに乗って自分を見つける旅や冒険に出て、そこで感動できるような景色に出会ってほしいという狙いがありました」

文中にでてくるインテリアデザインのイメージスケッチがこちら。
文中にでてくるインテリアデザインのイメージスケッチがこちら。    スズキ

また、同じくインテリアを担当した中西啓さんも、「このスケッチからすごくゆっくりとした時間が流れている、チルタイムみたいなところをインパネの造形などで反映しています」と続ける。

また、特に大きなこだわりとしてドアトリムを含めたステッチ関係が挙げられた。中澤さんは、その仕上がりに自信を見せている。

「実際に革を扱う家具屋さんに行ってどういう巻き込み方をしているか、どこの部分にステッチを縫い込んでいるかを見て、実際に購入して、クレーモデルの隣に置いてモデラーと一緒に質感や触り心地も同じような感じになるようにこだわりました。

ステッチの部分も金型を加工してくださるサプライヤーさんに出向いて、実際に職人さんが型をリューターで削っているところも見せて頂いて、ミリ単位でステッチの間隔を調整してここまで落とし込んでいます。ですから、触らない限りはわからないぐらい本物の革が貼ってあるようにしました」

パッと見はそれほど変わっていないような印象だが、話を聞けば聞くほど、作り込みは高く評価できるものだ。エクステリアはAピラーから後ろのパネル類は変わっていないものの、違和感なく繋げてあるし、インテリアも上質な仕上がりで高いレベルといえる。走りに関してもかなりのこだわりがありそうなので、じっくりと乗ってみたい。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    内田俊一

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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