歴史に埋もれた米国車 40選(前編) 革新的で高性能、でも忘れ去られたクルマ

公開 : 2025.10.18 11:25

スチュードベーカー・ワゴネア

1963年に登場したワゴネアはスチュードベーカーのステーションワゴンで、大きな特徴があった。ルーフ後部がスライド式になっており、前方にスライドさせると開放的な荷室空間が生まれる仕組みだ。

革新的なデザインだが、残念ながら製造品質上の問題に直面した。一部の顧客からスライド式ルーフの雨漏り問題が報告されたのだ。スチュードベーカーは即座に改良を施したが、ブランドイメージの低下と経営悪化という状況下では、すでに手遅れだった。

スチュードベーカー・ワゴネア
スチュードベーカー・ワゴネア

ランブラー/AMCマーリン

1965年から1967年まで生産されたAMCマーリンだが、当初はランブラーブランドで展開された。特徴的なファストバックのルーフライン、6人乗りの広々とした車内空間、強力なV8エンジンなど、急成長するパーソナルラグジュアリーカー分野で競争するために必要な要素をすべて備えていた。

しかし、残念ながら、マーリンはビッグスリーとの厳しい競争に直面し、短期間での生産終了となった。とはいえ、ランブラーのレガシーは完全に失われたわけではなく、2004年のクライスラー・クロスファイアのデザインに大きな影響を与えている。

ランブラー/AMCマーリン
ランブラー/AMCマーリン

マーキュリーS-55

マーキュリーS-55は、1962年から1963年、そして1966年から1967年にかけて生産された高性能のフルサイズ・マッスルカーである。ラグジュアリーかつパワフルな運転体験を追求し、最高出力405psの406立方インチ(6650cc)V8エンジンなどを用意。バケットシートや強化サスペンションも装備されていた。

フォード・ギャラクシー500XLやクライスラー300Hといった人気高級スポーツクーペと比べ、S-55の販売は非常に限られていた。しかしながら、S-55はマッスルカー全盛期における最高傑作の1つと言えるだろう。

マーキュリーS-55
マーキュリーS-55

ジープ・ジープスター・コマンド

ジープスター・コマンドは、従来のジープモデルよりも快適性とスタイリッシュさを重視して設計された。1966年から1973年にかけての生産期間中、コンバーチブル、ピックアップトラック、ワゴンといったボディタイプが展開された。1971年には性能向上版のハースト・ジープスター仕様も登場した。

ジープスター・コマンドは当時人気を博したが、後継車であるジープ・チェロキーに完全に影を潜める結果となった。

ジープ・ジープスター・コマンド
ジープ・ジープスター・コマンド

ポンティアック・エグゼクティブ

豪華な装備と強力なエンジンを備えながらも、1967年に発売されたエグゼクティブは中途半端な位置づけだった。ボンネビルほどの豪華さもなく、ファイヤーバードやGTO、テンペストほどの性能志向でもなかったため、あまり目立たない存在となった。

これは不当な評価だ。ポンティアック・エグゼクティブは当時、最もパワフルなフルサイズラグジュアリーカーの1つであり、7.5L V8エンジンは最高出力370psと最大トルク69kg-mという屈指の性能を誇る。

ポンティアック・エグゼクティブ
ポンティアック・エグゼクティブ

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

歴史に埋もれた米国車 40選の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事