歴史に埋もれた米国車 40選(前編) 革新的で高性能、でも忘れ去られたクルマ

公開 : 2025.10.18 11:25

AMC AMX

車名のAMXは「アメリカン・モーターズ・エクスペリメンタル」の頭文字をとったもの。2シーターGTで、同時代のマッスルカーに比べて格段に低価格だった。だが性能は妥協していなかった。6.4L V8は315psを発生し、0-97km/h加速は6.6秒に達した。

しかし、AMXもまた、ビッグスリーのライバル車に影を落とされている。1968年から1970年までの短い生産期間も相まって、コレクターの間で再評価されるようになったのはごく最近のことだ。それでも、3万ドル(450万円)前後という取引額はまだ良心的と言える。

AMC AMX
AMC AMX

ハーストSC/ランブラー

このモデルはランブラー・アメリカンの特別仕様車で、1969年にAMCとハースト・パフォーマンスの共同開発により誕生した高性能マッスルカーだ。最高出力315psを発生する390立方インチ(6390cc)V8エンジンが搭載され、その他にもハーストによるチューニングが施されている。愛国的な赤・白・青のカラーリングも特徴的だ。

SC/ランブラーの0-97km/h加速は6.3秒で、当時の他のマッスルカーと互角の性能だったが、外観では勝てなかった。生産台数も少なく、ハーストSC/ランブラーは今日ではほとんど忘れ去られている。

ハーストSC/ランブラー
ハーストSC/ランブラー

プリムス・ダスター

1970年に発売されたダスターは、人気の高いバラクーダの影に隠れ、大きな商業的成功を収められなかった。それでも優れたマッスルカーであることに変わりはなく、340 V8のような強力なエンジンも用意されていた。AMCホーネットやフォード・マーベリックといった小型セミファストバック車への対抗馬であった。

ダスターの高性能バージョン『ツイスター』は当初、ロゴにアニメキャラクターのタズマニアン・デビルを採用する予定だった。しかし、権利を有するワーナー・ブラザーズとの交渉が決裂したため、このロゴは採用されなかった。

プリムス・ダスター
プリムス・ダスター

マーキュリー・サイクロン・スポイラーII

この限定生産モデルは、NASCARの象徴的な「エアロカー」時代に設計された。プリムス・スーパーバードやダッジ・チャージャー・デイトナほどの人気は得られなかったが、サイクロン・スポイラーII(1969年初頭登場)は独自の性能強化と空力改良により健闘した。

マーキュリーはホモロゲーション規定を満たすため503台を生産したが、一部の記録によると、実際にはその数に届いていなかったようだ。噂では、期限までに完成したのは351台のみだったため、駐車場でスポイラーIIの間に標準仕様のサイクロン152台を紛れ込ませたという。NASCARの検査官はまったく気づかなかったらしい。

マーキュリー・サイクロン・スポイラーII
マーキュリー・サイクロン・スポイラーII

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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