「錆びる箱」と呼ばれた過去 トライアンフ・ヘラルド UK版中古車ガイド(2) 改造は当たり前

公開 : 2025.11.09 17:50

強固なシャシーを活かしたミケロッティの若見えボディ エンジンは堅牢 夢中になれる楽しさ 現在の交通にも問題なし 「錆びる箱」と呼ばれた時代も UK編集部が中古車で魅力を再確認

「錆びる箱」と呼ばれた時代も

現存するトライアンフ・ヘラルドは、歴代のオーナーによって手が加えられた例が多い。自宅のガレージで整備・改造され、走りを楽しまれてきたはず。オリジナル性を重視するなら、内容を丁寧に確かめたい。

エンジンやトランスミッション、サスペンション自体が交換されていても不思議ではない。スピットファイア用のツインキャブレターや、オーバードライブ付きのMTが載っている場合もある。

トライアンフ・ヘラルド(1959〜1971年/英国仕様)
トライアンフ・ヘラルド(1959〜1971年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

ヘラルドは、一部の人から「錆びる箱」と呼ばれた時代もあった。しかし、それは少々不当。ボディシェルには密閉されたボックスセクションがなく、裏側でサビが進行する心配はない。対策は容易で、情熱を注げば止まらない酸化へ悩むことはないだろう。

それでも、錆びることは事実。修復時に、シャシーレッグがボディへ溶接されてしまう例もあるようだ。

エンジンは堅牢 好調を保ちたいジョイント

エンジンは基本的に堅牢。異音や、冷却水とオイルの漏れがないか確かめたい。MTは滑らかに変速できるか、走行中にギア抜けしないか確認したい。50km/h程度から異常振動が出る場合は、プロペラシャフトのユニバーサルジョイントの劣化が疑われる。

発進時や旋回時にガタガタ揺れる場合は、デフやドライブシャフトのユニバーサルジョイントが原因かもしれない。ブレーキは、乗る頻度が少ないと固着を招く。

トライアンフ・ヘラルド(1959〜1971年/英国仕様)
トライアンフ・ヘラルド(1959〜1971年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

ステアリングコラムは、良好なら遊びが少ないはず。ラックエンドのガタツキや、コラム部分のユニバーサルジョイントの劣化もチェックポイント。不安があるなら、トライアンフを得意とするガレージを頼りたい。

コンバーチブルのシャシー番号には、CVが付記される。またドアには、走行中に開かないよう固定するペグが備わるのが正解。剛性低下は限定的だが、ボディパネルの大きなギャップは珍しくない。今回の例のような、ジャスミン・イエローの塗装は貴重だ。

購入時に気をつけたいポイント

ボディとシャシー

シャシーのメインレール、サスペンション・マウントやデフ付近、クロスメンバー、アウトリガー、サイドレールなどが錆びやすい。ボディはシャシーのマウント付近、ボンネットの先端、フェンダー、バルクヘッド、フロントガラス周辺などが弱点。

他にもサイドシルやドアの底面、ルーフパネルとトランクリッドのエッジ、荷室のフロアなども錆びる。フロントのバンパー裏、バランスパネルはFRP製へ置換するのが一般的な対策方法といえる。

エンジン

トライアンフ・ヘラルド(1959〜1971年/英国仕様)
トライアンフ・ヘラルド(1959〜1971年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

スタンダード社による4気筒エンジンは、強力ではなくても信頼性が高い。滑らかに回り、反応も良い。前端のプーリーが、クラッチを踏んだ時に動く場合は、スラストベアリングの交換を検討したい。バルブシートは頑丈だが劣化する。オイル漏れにも要注意。

トランスミッションとブレーキ

トランスミッションやデフからのフルード漏れがないか確かめる。走行中の異音にも注意したい。キングピンは固着を防ぐため、1万km毎にグリスアップが必要。ブレーキのスレーブシリンダーとキャリパーも固着しがち。

インテリアとソフトトップ

シートトリムは現在でも購入可能だが、ベージュのカーペットは入手困難。傷んだソフトトップは社外品へ交換できるものの、多くは寸法が微妙にズレている。ウインドウ付近の収まりがきれいか、観察したい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マルコム・マッケイ

    Malcolm Mckay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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