【これが『実行空力』か!】新型プレリュードのホンダアクセス装着モデルに黒木美珠が試乗

公開 : 2025.11.06 12:05

試乗で感じた『実行空力』の進化と継承

実際に走らせてみると、その完成度の高さに驚かされました。

まず、ボディ一体型のドアノブは慣れれば操作しやすく、筆者のようにネイルをしていても、ドアハンドルプロテクターのおかげで開閉時に気を遣いすぎずに済みました。

会場にて1997年式5代目プレリュードを撮影。スポイラーが印象的です。
会場にて1997年式5代目プレリュードを撮影。スポイラーが印象的です。    黒木美珠

ドアを開けて乗り込むと、意外にも視界が広く開けていることに気がつきます。車高が低いため閉塞感を覚えるかと思いましたが、実際は見晴らしが良く、ピラーの位置も絶妙。シートは体を程よく支える形状で、長時間でも快適に過ごせそうです。

エンジンを始動すると、驚くほど静か。シフト操作はボタン式で独特の近未来感があります。走り出すとアクセルフィールがとても軽やかで、踏み込みに対する反応が自然。スタート地点は住宅街の細い道でしたが、ボンネットの峰が目印となり、車両感覚をすぐに掴むことができました。

また、路面の凹凸や舗装の荒れた箇所でも乗り心地は上質で、段差を越えてもショックをうまくいなしてくれます。短い試乗ながら、直線で軽く加速した際の伸びやかさには思わず笑みがこぼれました。

軽やかで上質、そして穏やかにスポーティ。これが、私が新型プレリュード・スポーツ・スタイルから受けた第一印象です。

1980年代から続くプレリュードとホンダアクセスの歩みを振り返ると、同社が常に時代のニーズを読んできたことを感じます。ドレスアップから始まった挑戦は、やがて『実行空力』という理論へと昇華し、その思想はいま、新型プレリュードに確かに息づいています。

最新のモデルに乗り込み、風を感じながらステアリングを握ったとき、単なる復刻ではなく、過去と未来をつなぐ継承を実感しました。見た目の美しさの裏に、走りの確かさがある。そのバランスこそが、ホンダアクセスが半世紀にわたり守り続けてきた本質なのだと思います。

新型プレリュード・スポーツ・スタイルは、その歴史と情熱の集大成であり、次の時代のホンダアクセスを予感させる1台でした。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    黒木美珠

    Miju Kuroki

    1996年生まれ、静岡県出身。自動車系YouTuberとしての活動を経て、自動車ジャーナリスト(の卵)へと転身。自身の車中泊による日本一周の経験をきっかけに、クルマを通じたライフスタイルの可能性に魅了されるようになる。現在は、輸入車デビューを目指す連載をはじめ、車中泊視点での車両レビューや、YouTubeチャンネル『AUTO SOUL JAPAN』の運営など、多角的に活動中。クルマを単なる移動手段や機械としてではなく、その背景にある開発者の想いや、クルマを取り巻く文化、そして『移動すること』そのものの価値を伝えることをモットーとしている。

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