創設者は元テスラ 車重895kg超軽量EVスポーツカー『ロングボウ・スピードスター』テスト車両公開 設計からわずか半年

公開 : 2025.11.06 12:25

英国の新興企業ロングボウが車重895kgの新型EV『スピードスター』のテスト車両を公開しました。短期間で開発を進め、来年には納車開始予定です。デザインは「時代を越えて愛される美しさ」を目指したとのこと。

軽さと美しさを追求

英国のEV新興企業ロングボウは、開発中の超軽量スポーツカー『スピードスター』のプロトタイプを公開した。同社は通常の自動車メーカーが要する期間の約3分の1でこれを製作したと主張している。

スピードスターの英国価格は8万4995ポンド(約1700万円)で、来年末に顧客への納車を開始する予定だ。2023年に設立されたばかりのロングボウは、デザインスケッチから走行可能なプロトタイプまでわずか6か月で完成させたという。

ロングボウ・スピードスター(プロトタイプ)
ロングボウ・スピードスター(プロトタイプ)    ロングボウ

スピードスターの初期生産台数は150台と限定的だが、『ロードスター』と呼ばれるクーペバージョンもあり、より多くの台数が生産され、約1年後に6万4995ポンド(約1300万円)で市場投入される予定だ。

両モデルとも現在注文受付中で、スピードスターの初年度生産分はすでに割り当て済みであると見られている。

ロングボウの創設者であるダニエル・デイビー氏とマーク・タプスコット氏は、どちらもEVのパイオニアであるテスラルーシッドに関わっていたことがある。スピードスターとロードスターについては、同社のモットーである「Celeritas Levitas(軽さの速さ)」を体現した世界初のFEV(フェザー級電気自動車)と称している。

52kWhのバッテリー、インバーター、リアマウントの電気モーターを搭載しても、車両重量はわずか895kgである。出力はまだ確定していないが、「少なくとも200kW」、つまり272psになると、2人はAUTOCARに語った。

路上試験がまもなく開始される予定で、スピードスターの量産バージョンでは0-100km/h加速タイムはわずか3.5秒、WLTP航続距離は442kmと推測されている。

デイビー氏とタップスコット氏は実際の航続距離について、活発に運転した場合でも320kmを超えるはずだと述べている。

歴史的名車からインスピレーション

2人によると、このモデルはジャガーEタイプロータス・エリーゼといった、象徴的な英国スポーツカーの仲間入りを果たせるよう開発されたという。

内燃機関モデルの計画はなく、最新の駆動方式を求めてEVにしたとのこと。ドライバビリティに重点を置いており、「95%がスポーツカー、5%がEVです」とデイビー氏は説明する。

ロングボウ・スピードスター(プロトタイプ)
ロングボウ・スピードスター(プロトタイプ)    ロングボウ

100年後も変わらない魅力を維持することを目指し、長く愛されるようなデザインと、長期的に時代の流れに合致する電動パワートレインを採用した。

時代遅れになるような要素を避け、1960年代および1970年代の名車を参考にしているという。2人の創設者は、シェルビー・コブラ・クーペとフェラーリ288 GTOを例に挙げた。ボディ形状は、弓を引いて射る構えのロングボウ(長弓の一種)を彷彿とさせる。

「美しいクルマは時代を超えて愛され続けます。フォルムが大切なのです。わたし達が最も愛しているクルマの中には、60年前のものもあります。フェラーリGTOは、現代の基準では内部構造は少々ラフなものかもしれませんが、そのフォルムは今なお素晴らしい」とデイビー氏は語った。

「ロングボウは、あらゆる点で現代のクルマとして設計されていますが、特にフロントのデザインは、60年代および70年代の名車を参考にしています。ロングボウにもその美しさを取り入れたいと考えており、たとえ空力特性などに何らかの影響があるとしても、美しさのためなら妥協することにしています。ただ1つ、当社が常に重視するのは軽量化です」

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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