【タイヤ解析の達人がマレーシアで吟味】第5世代P ZEROが登場!ウルトラハイパフォーマンスカーがピレリを選ぶ理由とは?

公開 : 2025.10.27 11:45

EV/ハイブリッド車専用タイヤ『P ZERO E』

P ZERO Eは一般道で、メルセデス・ベンツGLC350eとの組み合わせで試乗した。タイヤサイズは前後255/45R20。

このタイヤは、55%がバイオベースおよびリサイクル材料を使用したEV/ハイブリッド車専用タイヤであり、国内タイヤグレーディングでは転がり抵抗は全17サイズ中7サイズが最高評価のAAA、残りの10サイズもAAを取得している。

マレーシアの試乗会に参加した筆者と試乗したメルセデス・ベンツGLC。
マレーシアの試乗会に参加した筆者と試乗したメルセデス・ベンツGLC。    ピレリ

トレッドデザインはEVのトルクに対応し、特にアウト側ショルダー部を大型ブロックで構成している。

また、セミランフラットタイヤともいうべきランフォワードテクノロジーを搭載。これはサイドウォール部に乗り心地を阻害しない薄型の補強材(ゴム)を入れることで、空気圧0でも80km/hで40km走行可能というもの。

走らせていて、ランフォワードのネガティブな印象はほぼ感じない。かすかにタイヤがストロークした先の方に、芯のような硬さがあるといった程度。多少荒れた程度の舗装路なら、しっとりした乗り心地の良さが表に出る。

それ以前に、まず走り出しが明らかに軽い。転がり抵抗の低さを実感。それでいながら、ワインディング区間ではしっかりしたグリップ感と軽快な操縦性が感じられた。

一部区間はかなりのハイペースドライブとなったが、グリップ不足を感じるどころか、重い車体を軽々と走らせる基本性能を備えている。エコだからではなく、トータルバランスに優れたタイヤとして、積極的に選びたくなるパフォーマンスを持っているのだ。

技術と膨大なノウハウがバックボーン

P ZEROトロフェオRSは同乗走行のみの体験だったのでインプレッションは控えるが、あらためてPP ZEROファミリーに試乗してみて、メーカーがOEMタイヤとしてピレリを選ぶことに納得できた気がする。

そして、なぜちょうどいいセッティングのリプレース用タイヤを作ることができるのかという疑問も、OEMとしてハイパフォーマンスカーに個別のカスタマイズを行い、ベストマッチのタイヤを作り上げる技術と、その膨大なノウハウがバックボーンにあることが理解できた。

いま、P ZEROファミリーが面白い。
いま、P ZEROファミリーが面白い。    ピレリ

いま、P ZEROファミリーが面白いと思った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    斎藤聡

    1961年生まれ。学生時代に自動車雑誌アルバイト漬けの毎日を過ごしたのち、自動車雑誌編集部を経てモータージャーナリストとして独立。クルマを操ることの面白さを知り、以来研鑽の日々。守備範囲はEVから1000馬力オバーのチューニングカーまで。クルマを走らせるうちにタイヤの重要性を痛感。積極的にタイヤの試乗を行っている。その一方、某メーカー系ドライビングスクールインストラクターとしての経験は都合30年ほど。

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