125年前の1600kmレースで完走 ウーズレー3.5hp ヴォワチュレット(1) 重要な生き証人

公開 : 2025.11.16 17:45

完成度が高かったウーズレー最初の四輪車

グレートブリテン島中部、バーミンガムで羊の剪毛機械を製造していたウーズレーは、元々はオーストラリアに本社があった。創業者はフレデリック・ウーズレー氏。工場長を任されていたのは、後にオースチンを立ち上げる、ハーバート・オースチン氏だ。

グレートブリテン島へ移転したのは、1889年。羊毛の閑散期を活用すべく、オースチンが目をつけたのが自動車で、1899年までに三輪モデルを2台試作している。今回ご紹介する3.5hpヴォワチュレットは、最初の四輪車だったが、驚くほど完成度は高かった。

ウーズレー3.5hp ヴォワチュレット(1899年式)
ウーズレー3.5hp ヴォワチュレット(1899年式)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

1900年1月6日のAUTOCARは、「3年以上に渡って、オースチン氏は多大な労力を費やしてきました。自動車の市場投入へ向けて、準備を進めています」。と報じている。

クルマを見るため集まった数1000人の市民

かくして、1900年4月23日、83台がハイドパークの南端、グロブナー・プレイスに集結。そこには、ベンツにネイピア、プジョートライアンフ、デイムラーなど、名だたる新興ブランドが名を連ねた。ウーズレーも。

AUTOCARの記事によると、ギアは3段。燃料タンクは15Lで、約160kmの航続距離を備えていた。1000マイル・トライアルで1日に走る距離に、好適なスペックといえた。

1900年の1000マイル・トライアルの様子 ゼッケン40がウーズレー3.5hp ヴォワチュレット
1900年の1000マイル・トライアルの様子 ゼッケン40がウーズレー3.5hp ヴォワチュレット

ドライバーは、工場長のオースチン。後にアームストロング・シドレーを立ち上げるジョン・シドレー氏は、デイムラーを駆った。名もなき自作車両も多かったようだ。

初日の行程は約190km。当時の報告書を読むと、数1000人という市民がクルマを見るために沿道へ集まったらしい。道路を開けておくため、警察が観衆を整理したという。

この続きは、ウーズレー3.5hp ヴォワチュレット(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ウーズレー3.5hp ヴォワチュレットの前後関係

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