マセラティ新型『MCPura』発表 630馬力の3.0L V6搭載 デザインもリフレッシュ

公開 : 2025.07.11 07:45

マセラティは、MC20の改良新型として『MCPura』を発表しました。スポーティながらも上品なデザインを採用し、非ハイブリッドのV6『ネットゥーノ』エンジンから最高出力630psを発生します。

MC20から車名変更 5年目のフェイスリフト

マセラティは、7月10日に英国で開幕したグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、新型スーパーカー『MCPura』を発表した。

2020年に発売されたMC20のフェイスリフト版であり、改良に伴い名称を変更した。グレカーレやグラントゥーリズモといったブランド最新モデルと足並みを揃えつつ、マクラーレンアルトゥーラなどの新たなライバルを標的に見据えている。

マセラティMCPura
マセラティMCPura    マセラティ

マセラティによると、『Pura』という名称は「純粋」なキャラクターを反映したものだという。「純粋なスピード、純粋なラグジュアリー、そして純粋なイタリアの情熱を形にしました」と同社は述べている。

MCPuraは3.0Lのネットゥーノエンジンを引き続き搭載し、Tremec製の8速デュアルクラッチ・トランスミッションを介して、最高出力630psと最大トルク73.4kg-mを後輪に伝達する。

0-100km/h加速2.9秒、0-300km/h加速はわずか8.8秒とされている。

抑制の効いた上品なスタイル 9月生産開始

メカニカル面で大きな変更はないが、サーキット専用車のMCXtremaをモデルにした、新デザインのグリルとディフューザーを備えている。リアのすっきりとしたディフューザーデザインは、モデル全体の控えめなスタイリングと調和している。デザイナーのクラウス・ブッセ氏は、こうした上品な特徴がMC20の魅力を支えていると力を込める。

「このデザインは装飾的なものではありません」とブッセ氏は言う。「明確な目的があるのです。すべてのライン、すべての要素が、空力効率、冷却性能、パフォーマンスを追求し、エレガントな抑制感で包まれています」

マセラティMCPura
マセラティMCPura    マセラティ

同氏はさらに「これこそ純粋さの実現です」と付け加えた。

一方、1953年のマセラティA6 GCSのツインスポークホイールを彷彿とさせるホイールデザインや、新しいカラーオプションも追加された。アクア・レインボーは、光の加減によって色合いが変化する3層構造の特殊な塗装となる。

車内にもさりげない改良が施され、アルカンターラの使用量を増やして高級感を高めている。オプションとして、MC20 GT2レーサーから着想を得た、上下部がフラットなステアリングホイールとLEDギアシフトインジケーターが選択可能だ。

固定ルーフのクーペとコンバーチブルのチェロは、いずれも9月に生産開始され、翌月から顧客への納車が始まる。

マセラティによると、MCPuraの生産台数は限定されないものの、受注生産であり、高度なカスタマイズが可能であるため、2台として同じクルマはないだろうとしている。

価格はまだ発表されていないが、従来モデルの23万ポンド(約4500万円)よりも高価になる見通しだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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