ディフェンダー小型版? ランドローバー、オンロード重視の新SUV開発中 2027年にも発売か

公開 : 2025.09.30 17:45

ランドローバーの人気モデル『ディフェンダー』に新たな小型バージョンが加わる可能性があります。肉厚で角ばったボディを持つプロトタイプが欧州で目撃されていることから、順調に開発が進められているようです。

全長約4.6m プロトタイプ発見

ランドローバーは、かねてから噂されていた『ディフェンダー』の小型エントリーモデルを、EVとして投入する準備を進めている。

このモデルについては、数年前から計画されていたという情報もあるが、JLR(ジャガー・ランドローバー)の製品ロードマップでは公式に示されたことはなかった。

小型版でも現行ディフェンダーに似たプロポーションを採用するようだ。(画像は現行型)
小型版でも現行ディフェンダーに似たプロポーションを採用するようだ。(画像は現行型)

しかし、今回、テスト走行中のプロトタイプをカメラが捉え、開発が着実に進んでいることが確認された。これにより、早ければ2027年にも市場投入される可能性が見えてきた。

外観は、厚みのある直線的なプロポーションを持ち、従来のディフェンダーとの強い関連性が窺えるものの、より小型で車高が低く、オフロード性能よりもオンロードでの走行を重視した仕様となる見込みだ。

目測だが、プロトタイプの全長は約4.6m、全幅約2.0m、全高1.8m未満と考えられる。

JLRはこれまで新型車についてコメントを控えてきたが、一時的に『ディフェンダー・スポーツ(Defender Sport)』という名称がランドローバー公式サイトに掲載されたことがある。

『スポーツ』の名称はこれまで、ディスカバリー・スポーツやレンジローバー・スポーツなど、オンロード走行重視のモデルに使用されてきた。この新型車にディフェンダー・スポーツという車名が与えられるのも自然な流れと言えるだろう。

一方で、名称ではなく数字で区別される可能性もある。例えば『ディフェンダー80』と命名され、90、110、130といったボディスタイルで販売されている従来モデルの下位に位置づけられるかもしれない。

ディスカバリー・スポーツの後継に?

ディフェンダーの小型モデルは、ディスカバリー・スポーツの後継となる可能性がある。両車のポジションが重複していること、そしてディスカバリー・スポーツの将来性が不透明な状況が背景にある。

現行のディスカバリー・スポーツは、JLRのラインナップ中、最古参のモデルだ。2014年に登場し、2019年に大幅なフェイスリフトを受けた。発売当初は好調な売れ行きを見せていたが、コロナ禍以降は販売台数が減少傾向にあり、次世代モデルの開発もまだ確定していない。

現行ディフェンダーは世界各地で人気を集めている。
現行ディフェンダーは世界各地で人気を集めている。

AUTOCARがこれまでに得た情報によれば、ディスカバリーシリーズを刷新し、ディフェンダーシリーズとの差別化を図る計画が進行中だという。

コンパクトながらも肉厚なプロポーションとオフロード性能を考慮すると、小型版ディフェンダーは、かつて人気を博したフリーランダーの実質的な後継車となる可能性もある。フリーランダーは2世代にわたって生産された後、ディスカバリー・スポーツに置き換えられた。

高級路線を採用したディフェンダーは2020年の発売以降、世界的なヒット商品となり、2024年には11万4000台以上を販売している。小型エントリーモデルにこの名称を採用すれば、より幅広い顧客層にアピールできるだろう。JLRのグローバル市場における主力車種となる可能性を秘めている。

基本構造としては、レンジローバー・イヴォークおよびレンジローバー・ヴェラールの次世代モデルと同様に、JLRの新EMAプラットフォームを採用する見込みだ。

これらのモデルは、現在5億ポンド(約1000億円)を投じてEV生産体制への転換を進めている英国マーシーサイド州のヘイルウッド工場で生産される。電気モーターは自社生産、高電圧バッテリーは親会社タタが建設中のサマセット工場で生産される予定だ。

しかし、JLRは昨年、「予想外」の需要減少を受けてEV計画を見直し、PHEVの生産拡大に注力すると発表した。このため、EMAベース車に内燃機関モデルも用意し、訴求力を高めようとする可能性がある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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