2000年代を代表するハイパフォーマンスカー 30選(中編) 突き詰めた性能の頂点

公開 : 2025.12.28 11:25

ランボルギーニガヤルド・スーパーレジェーラ(2007年)

いわゆる「ベイビー・ランボ」は2002年に初公開され、ランボルギーニにとって大成功を収めた。実際、ガヤルドはSUVのウルスが発売されるまで、歴代ランボルギーニで最も売れたモデルであり、生産台数は1万4000台を超える(後に、この数字は後継車のウラカンに抜かれている)。

しかし、2007年に発表されたガヤルド・スーパーレジェーラの生産台数は、わずか618台に過ぎない。標準仕様のガヤルドをベースに軽量化を施したスーパーレジェーラは、四輪駆動システムを継承しながらも、ベース車より100kg軽くなっている。幸い、雄大な5.0L V10エンジンもそのまま引き継がれている。

ランボルギーニ・ガヤルド・スーパーレジェーラ(2007年)
ランボルギーニ・ガヤルド・スーパーレジェーラ(2007年)

AUTOCAR英国編集部の評価:「かつてフェラーリが作り続けたようなクルマだ」

メルセデス・ベンツSLRマクラーレン(2003年)

マクラーレンとの共同開発で、ゴードン・マレー氏がデザインしたSLRは、数々のコンセプトモデルと開発遅延を経て、ようやく2003年に量産バージョンとして発表された。ドライサンプ方式のスーパーチャージャー付き5.4L V8エンジンは626psと79.5kg-mのトルクを発生し、驚異的な速さを誇った。

しかし、初期のカーボンセラミックブレーキには不具合が多く、乗り心地も硬く、5速オートマティック・トランスミッションは扱いにくかった。さらにカーボンファイバー構造にもかかわらず、車両重量は1700kgに達する。こうした点からSLRは問題児扱いされ、エンツォ・フェラーリポルシェ・カレラGTといったライバル車とダイナミック性能で競い合うことはできなかった。その代わりに印象的だったのは、長距離グランドツアラーとしての性能だ。センセーショナルなスタイリングを備えたこの英独合作の名車は、このリストにふさわしい。

メルセデス・ベンツSLRマクラーレン(2003年)
メルセデス・ベンツSLRマクラーレン(2003年)

AUTOCAR英国編集部の評価:「310km/hに達しても、まだ列車のように加速を続けていた」

メルセデス・ベンツCLK 63 AMGブラックシリーズ(2007年)

メルセデス・ベンツCLK 63 AMGブラックシリーズは2007年に発表された。以来、アファルターバッハが生み出したモデルの中でも特にAUTOCARのお気に入りの1台となっている。

ブラックシリーズはF1向けにAMGが開発したCLKのセーフティカー仕様に着想を得て、過激に拡張されたフェンダー、カーボンファイバー製リアディフューザーおよびドアパネル、フロントのバケットシートを装備し、後部座席は完全に撤去されている。また、標準のCLK 63に搭載されていた6.2L自然吸気V8エンジンはそのまま引き継がれたが、ブラックシリーズでは500psを発生するようチューニングされた。

メルセデス・ベンツCLK 63 AMGブラックシリーズ(2007年)
メルセデス・ベンツCLK 63 AMGブラックシリーズ(2007年)

AUTOCAR英国編集部の評価:「一点だけ明白なことがある。SLRを含め、現在販売されているメルセデスの中で最も過激なモデルだ」

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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