2000年代を代表するハイパフォーマンスカー 30選(中編) 突き詰めた性能の頂点

公開 : 2025.12.28 11:25

2000年代、それまでの常識や記録を打ち破るハイパフォーマンスカーが数多く登場しました。VWゴルフGTIから日産GT-R、ブガッティ・ヴェイロンまで、時代を象徴する高性能モデルとコンセプトカーを紹介します。

エンツォ・フェラーリ(2002年)

F40F50の後継車として、エンツォ・フェラーリは2002年の登場時に大きな期待を背負っていた。その重大な使命を果たすため、フェラーリはスクーデリアF1チームの部品を応用し、当初「タイプF140」という名で開発した。

ピニンファリーナ設計のボディは完全なカーボンファイバー製だ。660psの6.0L V12エンジンはF1スタイルのオートメイテッド・マニュアル・トランスミッションと組み合わされ、ブレーキにはシリコンカーバイド製を採用した。さらに、ミハエル・シューマッハ氏が開発ドライバーとして招かれたのだ……。

エンツォ・フェラーリ(2002年)
エンツォ・フェラーリ(2002年)

AUTOCAR英国編集部の評価:「エンツォは間違いなく、フェラーリが持つ豊富なF1およびロードカーの知見を最も如実に表現したモデルである」

フェラーリ458イタリア(2009年)

2009年、F430の後継として発表された458イタリアは、ミドシップスーパーカーの分野に大きな躍進をもたらした。

ボディはまたしてもピニンファリーナが手掛け、当時と変わらず今なお新鮮なデザインだ。新開発の4.5L自然吸気V8エンジンを搭載し、570psを発生。そのパフォーマンスは極めて高く評価され、『国際エンジン・オブ・ザ・イヤー』賞を受賞した。さらに458には、現代的なゲトラグ製7速デュアルクラッチ式オートマティック・トランスミッションが搭載された。

フェラーリ458イタリア(2009年)
フェラーリ458イタリア(2009年)

AUTOCAR英国編集部の評価:「458イタリアは一世代に1台のフェラーリであり、我々がロードテストした中で最高のクルマである」

フォードGT(2003年)

GTは、2002年のフォード創立100周年記念にコンセプトカーとして発表され、翌年に量産バージョンが登場した。1960年代の伝説的レーシングカー、GT40へのオマージュとして設計され、オリジナル車とほとんど変わらないスタイリングはレトロな魅力を放っている。

しかし、レトロなアルミボディの下には、まったく異なる実態が隠されている。GTは現代的な本格スーパーカーなのだ。GTは、550psのスーパーチャージャー付き5.4L V8エンジンを搭載し、0-97km/h加速は3.3秒、最高速度は約330km/hに達する。AUTOCARのレビューでは「圧倒的なクロスカントリー性能と卓越した操舵性能」を持つと評された。

フォードGT(2003年)
フォードGT(2003年)

AUTOCAR英国編集部の評価:「エンジン性能は天文学的だ。コーナーは単に楽しみを区切る要素に過ぎない。GTはターンイン時に確かな手応えがあるが、その大きさと重量は常に意識させられる。それでも筆者は1台欲しい――最高だ」

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

2000年代を代表するハイパフォーマンスカー 30選の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事