リマック、ブガッティ向け全固体電池を開発中 軽量&高出力パワートレインで「革新」目指す

公開 : 2025.12.15 17:05

ユニークな社内文化

ピタレビッチ氏は昨年、世界22の工場で1万人を擁する大手製造グループの要職からリマックに引き抜かれた。

ボスニアで生まれ、ドイツで教育を受けた36歳のピタレビッチ氏が、発展途上にある小規模なクロアチア企業に惹かれた理由については、次のように語っている。

リマック・ネヴェーラR
リマック・ネヴェーラR

「リマックにはユニークな文化があると聞いていました。そこに大きな魅力を感じたのです。いざ入社してみると、さらに気に入った点が3つありました」

「第一に、決定事項をメールで受け取ることはありません。それよりもずっと速くコミュニケーションを取ります。時間を無駄にするのを嫌うのです」

「次に、常にイノベーションを奨励する風土があります。誰かが良いアイデアを思い付いたら、マテ・リマック(創業者兼CEO)でさえ、それを止めたりはしません」

「3つ目に、これは最も素晴らしいのですが、古い従来技術がないことです。最初から最高のシステムを備えています。さらにクロアチアは、国民の教育水準が非常に高いにもかかわらず、他の欧州諸国よりコストが20~30%低い。だからこそ、60年や70年も事業を続けてきた巨大テック企業とも対等に戦えるのです」

将来はどう見据えているのだろうか? ピタレビッチ氏は、革新的なハイエンド部品の供給に注力していくと述べた。「リマックはプレミアム市場、あるいはニッチ市場を好みます。そこでは性能やパワーと同等かそれ以上に、革新性が重要です。この領域では成功できると確信しています」

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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