【国産ライバルが熱視線?】プラグインハイブリッド日本初導入!価格だけじゃない『BYDシーライオン6』の気になる実力

公開 : 2025.12.24 11:25

装備は充実、国産のライバルより低価格

ドライブモードにはHEVとEVがあり、それぞれをスポーツ/ノーマル/エコで切り替えられる。いずれもエコモードは少し加速が緩慢で、スポーツでは初期ゲインが強すぎるきらいもあるから、普通に使うならノーマルで十分だろう。ちなみに、EVモードでも全開加速するとエンジンがかかり、これがなかなか良い音を奏でるのが面白い。

回生ブレーキは2段で切り替えられるが、強くしても極端に効きは強くならないし、いわゆるワンペダル走行はできない。

ドライブモードにはHEVとEVがあり、それぞれをスポーツ/ノーマル/エコで切り替えられる。
ドライブモードにはHEVとEVがあり、それぞれをスポーツ/ノーマル/エコで切り替えられる。    平井大介

ワインディングロードも少し走ってみた。ピュアEVほどではないといっても2トン近い車重があるので、コーナリング時や下りのブレーキングなどでは少し重さを感じる。それでもバッテリーにより低重心化されているからか、コーナリング時のフォームは安定しており、ロールは比較的おさえられている。なお、日本仕様の足まわりは専用にセッティングされているとのことだ。

ヒーター&ベンチレーションを備えたスポーツシートやステアリングヒーター、ワンタッチ開閉式パノラミックサンルーフなど、快適装備は充実。ラゲッジルームもリア使用時で425L、リアシートバックを全倒すれば1440Lと十分に広い。

「ハイ、BYD」と呼べば応答してくれるボイスコントロールも備えているが、音声認識機能は今ひとつ。目的地がうまく見つけられないのだ。このあたりはグーグルとの出来の差を感じさせたが、学習効果で進化していくことに期待したい。

今回試乗したFWDで392万8000円、来春発売予定のAWDで448万8000円という車両価格は、日本でライバル視されるアウトランダーPHEVが529万4300円からだから、その差は歴然。もちろん、クルマの評価は価格だけでは決められないが、パフォーマンスや装備的に遜色はないように思う。

ハイブリッド車(およびプラグインハイブリッド車)が趨勢を占める日本のクルマ社会に、シーライオン6はどんな影響を与えるだろうか。注目したい。

BYDシーライオン6のスペック

BYDシーライオン6 FWD
全長×全幅×全高:4775×1890×1670mm
ホイールベース:2765mm
車両重量:1940kg
エンジン:直列4気筒DOHC+モーター
総排気量:1498cc
最高出力:72kW/6000rpm
最大トルク:122Nm/4000−4500rpm
モーター最高出力:145kW
モーター最大トルク:300Nm
トランスミッション:電気式無段変速機
燃料/タンク容量:レギュラー/60L
WLTCモード燃費:22.4km/L(ハイブリッド)
タイヤサイズ:235/50R19
価格:398万2000円

BYDシーライオン6 FWD
BYDシーライオン6 FWD    平井大介

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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