日産リーフからフィアット600eに乗り換えて3ヵ月 初の輸入車EV生活で感じるイタリア車の魅力

公開 : 2025.12.30 11:45

4G通信によるスマホ連携アプリの機能

600eも当然スマホとの連携機能があり、バッテリー残量の表示や充電予約の操作を行えます。但し、充電の開始時刻の設定は、クルマ本体ではできなくて、このスマホのアプリからしか行えません。それに終了時刻の設定はできなくて、夜間料金の終了となる時間に停止させたいと思うと手動で止める必要があるので、ちょっと不便です。冬の朝にクルマの所へわざわざ行くのは辛いので、家の中にあるブレーカーを落としています。

なぜ停止時刻の予約をできるようにしていないのか、不思議な感じすらします。運用上大きな問題ではないのですが、今後のアップデートでの改善を期待してしまいます。

後ろ下のランプの色が左右で違います。
後ろ下のランプの色が左右で違います。    小林薫

このスマホアプリ、しばらくしたらバッテリー残量のデータが更新されなくなり、充電予約もできなくなりました。アプリを再インストールしたり、スマホを再起動したり、またスマホ自体を変えてみたりしましたが、使えるようにはなりませんでした。販売店へ行きましたが、通常あるクルマの不具合でなく、原因が分かりませんでした。

そこで、状況を詳細に記述したメールを販売店に送り、それをフィアットへ転送することにより、メーカーの方で対応してもらうことになりました。フィアット側のシステムに問題があったようで、その後すぐに復旧しました。輸入車のメーカー対応はどうなのか心配でしたが、大きな問題はなく安心しました。

なお、このスマホとの連携サービスに必要な600e側の4Gの通信料は10年間無料となっており、他メーカーよりその期間は長いのではと思いました。また、フィアットはこの通信を利用してクルマの状態を管理しており、車両に関するいろいろなデータが定期的に送られています。

地デジ放送はアプリ『どこでもディーガ』で

愛車が600eとなり、EVの進化を十分に感じることになりました。しかし、リーフから600eに変わったことによるデメリットもあります。

まずは、冬タイヤ4本セットを買おうとしたら、リーフの時より価格がとても高く、驚きました。遠出した時の緊急用として、とりあえず金属チェーンを購入し済ませています。

クルマでスマホアプリが使えるOttocastの『OTTOAIBOX P3』。
クルマでスマホアプリが使えるOttocastの『OTTOAIBOX P3』。    小林薫

悩ましかったのは、リーフでは標準であった地デジ放送の受信機能とDVDディスクプレーヤーがないことでした。

地デジ放送ではニュースやワイドショーを視聴し、DVDではWOWOWなどで録画した音楽コンサートなどを聞くことが好きで、これまで充電待ちなどではとても重宝していました。

しかし、600eではHDMIの入力端子もなく、対応方法がありません。購入前、試乗してすぐに乗り換える気にならなかった、最も大きな理由です。

今はオットキャストの『OTTOAIBOX P3』を使い、地デジ放送を見ることができるようになっています。この3ヵ月間、いろいろな場所へ行きましたが、映像は安定しており、トンネルの中でもほとんどの場所で視聴することができています。

特別な作業はなく簡単に装着可能

この『OTTOAIBOX P3』は、ディスプレイオーディオ用のスマホ相当品で、Apple CarPlay対応のUSB接続機能があれば利用でき、特別な作業はなく簡単に装着できます。使用するアプリは『どこでもディーガ』を使うので、自宅にネット接続したパナソニックのレコーダーディーガが必須です。

レコーダーで録画した音楽コンサートなどの番組も、『どこでもディーガ』の持ち出し機能を使えば容易に視聴できます。レコーダーから『OTTOAIBOX P3』への転送は自宅のWi-Fi環境でできるので、ディスクを作成するより簡単です。

地デジ放送は、レコーダーディーガのチューナーで受信したものを視聴することになるので、今までは考えられなかったBS放送もクルマの中で見ることができます。

テレビ放送をリアルタイムで見るには、『OTTOAIBOX P3』でSIM契約をするか、車内のWi-Fi環境が必要ですが、データ専用の格安SIMはいろいろと販売されており、問題ありません。

アナログの時代から続いたAVの世界でのメディア記録は、ネット時代となり大きく変化していることを強く感じることになりました。

次回は、真冬の航続距離について報告します。

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    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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