壮大なシンフォニーの「M3 CSL」 今でも驚異的な「M5 CS」【BMW M2 CS比較試乗 傑作を超えるか?(2)】

公開 : 2026.01.24 18:10

長所が絶妙に融合した近年のベストM

果たしてM2 CSは、M5 CSに並ぶ豊満なパワーと自在な操縦性を宿す。様々な状況で速く、刺激的な体験が身近にある。深く満たされるのに、M3 CSLほど気張る必要はない。

他方、大きすぎないボディとステアリングの正確性、信頼感の抱きやすさはM3 CSLへ匹敵する。2ドアクーペというパッケージングも近い。2台の長所が絶妙に融合している。

BMW M2 CS(G87型/英国仕様)
BMW M2 CS(G87型/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

もし可能なら、直6エンジンの主張を強め、右ハンドルのペダルレイアウトを整え、ステアリングホイールの直径を僅かに縮めたい。だがそれは、強いていえば。歴代最高とはいえなくても、G87型M2 CSが近年のベストMであることに疑いようはない。

番外編:深夜に飛ばした真新しいM3 CSL

23年前、AUTOCAR英国編集部までM3 CSLの広報車を自走で運んでくれたのが、スタントドライバーのマウロ・カロ氏。今回の比較試乗にも、ご協力いただいた。

「比較試乗の仕事が終わったある日、担当スタッフから次週も仕事を頼まれたんです。ミュンヘン行きの最終便で飛んで、深夜にM3 CSLを飛ばしました。途中で止まったのは、給油と(ドーバー海峡を渡る)フェリーへ乗った時だけでしたよ」

BMW M3 CSL(E46型/2003〜2004年/英国仕様)
BMW M3 CSL(E46型/2003〜2004年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

「でも、信じられないほど幸せな時間でした。ドイツのアウトバーンで、アストン マーティンDB9を追走したのは忘れません。ロンドンのオフィスには、翌日の午前中に到着。引き渡すと、試乗評価でミルブルックのテストコースへクルマは向かいました」

「その左ハンドルのM3 CSLを、翌週にミュンヘンまで戻したのも自分です。今考えても、興奮するような出来事でしたね」

M2 CSにM3 CSL、M5 CS 3台のスペック

BMW M2 CS(G87型/英国仕様)

英国価格:9万2475ポンド(約1923万円/試乗車)
全長:4587mm
全幅:1887mm
全高:1395mm
最高速度:302km/h
0-100km/h加速:3.8秒
燃費:10.0km/L
CO2排出量:226g/km
車両重量:1700kg
パワートレイン:直列6気筒2993cc ツインターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:530ps/6250rpm
最大トルク:66.1kg-m/2750-5730rpm
ギアボックス:8速オートマティック/後輪駆動

BMW M3 CSL(E46型/2003〜2004年/英国仕様)

英国価格:5万8455ポンド(新車時)
全長:4492mm
全幅:1780mm
全高:1365mm
最高速度:249km/h
0-97km/h加速:4.9秒
燃費:8.4km/L
CO2排出量:287g/km
車両重量:1385kg
パワートレイン:直列6気筒3246cc 自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:360ps/7900rpm
最大トルク:37.6kg-m/4900rpm
ギアボックス:6速オートメーテッド・マニュアル(SMG)/後輪駆動

BMW M5 CS(F90型/2021〜2023年/英国仕様)

スタントドライバーのマウロ・カロ氏(左)
スタントドライバーのマウロ・カロ氏(左)

英国価格:14万780ポンド(新車時)
全長:4956mm
全幅:1903mm
全高:1473mm
最高速度:305km/h
0-100km/h加速:3.0秒
燃費:8.9km/L
CO2排出量:256g/km
車両重量:1825kg
パワートレイン:V型8気筒4395cc ツインターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:635ps/6000rpm
最大トルク:76.3kg-m/1800-5600rpm
ギアボックス:8速オートマティック/四輪駆動

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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