新型アルピーヌ『A110』低車高のEV用プラットフォーム採用へ CEOが重要視するポルシェ911との比較 オープンや2+2も計画中

公開 : 2026.02.18 17:05

インテリアで重視していること

新型A110は、物理的な操作系を重視したコックピットを導入する。ルノーから流用したものではなく、アルピーヌ初の専用設計のインテリアとなる。

求められているのは、ドライバーの集中力を妨げるような要素を最小限に抑え、これまで以上に没入感のあるドライビング・エクスペリエンスを実現することだ。そのため、デジタルスクリーンは最小限で、アナログ中心のインテリアが予想される。

現行A110のインテリア
現行A110のインテリア

デザイン責任者アントニー・ヴィラン氏は以前AUTOCARに対し、新型A110のキャビンは「新世代」であり、「同じ要素を維持しつつ、さらに進化させる」、「物理的なボタンを多く配置し、デジタルな要素は最小限に抑える」と語っていた。

ヴィラン氏によれば、「あらゆる機能を直感的に操作できる」設計にすることで、ドライバーは「マシンとの感情的な結びつき」を築けるという。

スポーツカーを購入する時、ドライバーは自分でコントロールしたいと願うものです。クルマを運転しコントロールするのはクルマではありません。人間です」とヴィラン氏は付け加えた。

グローバルを視野にラインナップ拡充

アルピーヌは新型A110で複数の派生モデルを計画している。クリーフCEOによれば、少なくとも4種類の2ドアモデルが展開されるという。クーペ、コンバーチブル、そしてそれらのロング版4人乗りGTだ。

クリーフCEOは、ポルシェ911との比較を重要視している。より多くの製品を投入し、ブランド認知度を高めた後、顧客がアルピーヌとポルシェのどちらを選ぶかで「迷う」時代が来ることを思い描いているのだ。

アルペングローHy6コンセプト
アルペングローHy6コンセプト

3年前にアルピーヌのCEOに就任した際の最大の使命は、7年間で7車種を投入することだったという。そのうち『A290』と『A390』の2車種はすでに販売中であり、新型A110も間もなく登場する。

その後、米国市場向けにA390より大型のSUVが計画されている(ただし、現在ではその優先順位は低くなっている)。そして、アルピーヌブランドが十分に成長すれば、ル・マン耐久レーサーの影響を受けた超高級ハイパーカーが登場する見込みだ。

このハイパーカーは、水素燃焼のV6エンジンを搭載した『アルペングロー』コンセプトの量産バージョンで、APPプラットフォームを使用する可能性が示唆されている。

アルピーヌが目指す「3つの柱」

クリーフCEOは今後のモデル展開を3つの柱に分類している。第一にA110だ。ブランドのアイコンとして「刷新に刷新を重ねていく」存在である。

次にA290やA390のような「日常における非日常感」を演出するモデルがある。この柱は今後拡大が見込まれ、大型ステーションワゴンの可能性についても言及があった。

アルピーヌブランドの今後の展開には注目したい。
アルピーヌブランドの今後の展開には注目したい。

そして3つ目の柱は「最大限」のものを提供するハイパーカーだ。非常に高い性能を持つだけでなく、ハイレベルのカスタマイズ性を実現しなければならないとクリーフCEOは述べた。

しかし、そのためには、100万ユーロ(約1億8000万円)台の超高級車を販売できるだけのブランドを構築することが不可欠だという。この点では、アルピーヌF1チームが貢献することになるだろう。

現時点では、アルピーヌは新型A110の開発に尽力している。

「スポーツカー市場は全世界で36万台規模です」とクリーフCEOは言う。「このうち約9万台が欧州、9万台がアジア、18万台が米国で販売されています」

「新型車はまず欧州で発売し、次にアジアへ展開します。その後、条件が整えば米国にも進出する予定です」

「しかし、今後4年ほどは、やるべきことが山積みです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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