シープ・アヴェンジャーにAWDの大本命『4xeハイブリッド』登場! 入念に作り込まれた「らしさ」でライバル不在?

公開 : 2026.03.05 12:00

激戦区内でキラッと輝くゲームチェンジャー

BEV版のアベンジャーと比べると車重は90kgほど軽く、一方で重心は若干高いはずの4xe。それでもAWDの駆動や前後重量配分の恩恵は随所に感じられる。標準装着のオールシーズンタイヤも、しっとりとした理性的なドライブフィールに貢献しているはずだ。

ジープらしい設計要件の部分としては、アプローチやデパーチャーの角度を含む車体下のクリアランスはもちろんだが、エンジン直下やマフラー下に金属製のアンダーガードが備わっている点が『らしい』と思った。

外観と同じく、室内も直線基調のシンプルな意匠でまとめられている。
外観と同じく、室内も直線基調のシンプルな意匠でまとめられている。    神村聖

また、マルチリンクのリアサスを構成する部品にアルミ鋳物やアルミ押し出し材が用いられている点にも驚かされた。出てしまった音や振動を防音材等で後処理するのではなく、そもそも軽くて強い振動が出にくいパーツを、あまり目立たない部分にまで惜しみなく投入しているのだ。

コンパクトSUVは言わずもがなの激戦区。それでもアベンジャー4xeハイブリッドの『入念なジープ化』がわかってくると、ライバル不在にも思えてくる。サイズや価格ではレクサスLBXフォルクスワーゲンTクロスのAWDモデルになるのだろうが、それらにはあらゆる路面状況をカバーしようという作り込みは見られない。

クオリティは完全に小さな高級車。でもそこはジープなので、究極のマルチパーパスカーというべきだろうか。激戦区内でキラッと輝く、興味深いゲームチェンジャーが現れた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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