佐藤琢磨が1975年式ホンダ・シビックRSで、学生たちとモンテカルロ・ヒストリック参戦&完走! アウディ・クワトロより速かった?

公開 : 2026.03.19 07:45

ホンダ学園が創立50周年記念企画として、2台の1975年式『ホンダ・シビック RS』をレストア。そのうち1台が佐藤琢磨選手とラリー・モンテカルロ・ヒストリックに出場しました。その報告会を篠原政明がレポートします。

発表からレストア、準備など全てを学生たちが行う

1976年、ホンダの創業者であり、初代校長となった本田宗一郎氏が「技術だけでなく、世界に歓迎される人間を作りたい」という志の元に創設したのが、学校法人ホンダ学園(以下、ホンダ学園)だ。

同校が創立50周年を記念したチャレンジ企画の第1弾として、2台の1975年式『ホンダ・シビック RS』をレストア。ラリー・モンテカルロ・ヒストリック(以下、RMCH)にチャレンジすることが、昨年夏に発表された。

佐藤琢磨選手がシビックRSで、学生たちとモンテカルロ・ヒストリック参戦。
佐藤琢磨選手がシビックRSで、学生たちとモンテカルロ・ヒストリック参戦。    ACM and honda_gakuen_kanto

そして発表から車両のレストア、さまざまな準備を学生たちが行い、今年の1月29日から2月7日まで開催されたRMCHにおいて、2台は見事に完走。その報告会が3月18日、都内で開催された。

出走した2台のシビックはまだ船で日本を目指して運ばれている最中なので、残念ながら実車を見ることはできなかった。しかし、ドライバーを務めたレーシングドライバーの佐藤琢磨選手をはじめ、チャレンジに参加した約30名の学生とホンダ学園の教職員たちが勢ぞろいし、チャレンジの過程を報告した。

もちろん教員の指導はあるが、学生たちだけで古いクルマをレストアし、整備や部品の調達、そして車検を取得して海外走行用に国際ナンバーも取得。クルマだけでなく、RMCHに参戦するための書類申請や海外輸送の手続き、さらには現地でのホテルの予約をはじめとする運営支援やナビゲーターまで担当している。

しかし実際に走り出すと、さらなる試練が待ち受けていた。

かなりのハイペースで横転も学生たちが修復

レストアを始めてみるとボディのサビや腐食が多く、板金修理や塗装も行うことになった。また、取り寄せた部品が合わずに加工したり、様々なトラブルに対処。エンジンはポート研磨し、配線はやり直し。ラリーコンピューターも学生が自作している。

その後、北海道まで自走して鷹栖のホンダ・テストコースでラリーを想定した走行を行ってから、トラブルを対処して船に載せて送り出した。

佐藤琢磨選手の駆る『サンセット号』の車名はボディカラーに由来。
佐藤琢磨選手の駆る『サンセット号』の車名はボディカラーに由来。    ACM and honda_gakuen_kanto

いよいよ本番。RMCHはレギュラリティラリー形式で、約2200kmを決められた平均速度で正確に走行する。スピードではなく精度と対応力を競うものだが、アベレージスピードはかなり高いという。

実際76psのシビックRSではかなりのハイペースとなり、琢磨選手の駆る『サンセット号』(ボディカラーに由来)は横転してしまう。

「これまでか」と琢磨選手は思ったそうだが「絶対に直します!」と学生たちが修復し、その後も走り続ける。そして見事にサンセット号は、ホンダ学園関東校の勝田校長が駆る『マドリード号』とともに完走を果たした。

ちなみに、学生たちの頑張りに応えようと琢磨選手は最終ステージに近いチュリニ峠では激走し、アウディ・クワトロよりも速かったという!

RMCHを終えた学生たちは、この挑戦を体現して大きく成長したようだ。彼らが、これからの日本自動車業界を支え、いつかは世界の舞台で活躍する日を期待したい。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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