今や日本の新車販売は4台に1台がSUV 開発責任者に聞く『ホンダZR-V』一部改良の狙い

公開 : 2026.03.27 11:45

ホンダのCセグメントSUV『ZR-V』が、発売から約3年を経て一部仕様変更され、特別仕様車『ブラックスタイル』と『クロスツーリング』が加わりました。篠原政明が開発責任者に、導入の狙いなどを聞きます。

約3年を経て、下降気味の販売にテコ入れ

本田技研工業(以下ホンダ)のCセグメント(ミドルクラス)SUV『ZR-V』が、発売から約3年を経て一部仕様変更され、特別仕様車『ブラックスタイル』と『クロスツーリング』がラインナップに加わった。

発売を前にメディアに向けて事前説明・取材会が行われたので、ZR-Vの開発責任者である、同社四輪開発本部完成車開発統括部のラージ・プロジェクト・リーダーであるチーフエンジニアの沖村達男氏に話をうかがった。

ホンダZR-Vが一部仕様変更。こちらは特別仕様車『ブラックスタイル』。
ホンダZR-Vが一部仕様変更。こちらは特別仕様車『ブラックスタイル』。    本田技研工業

まず、最近の日本における乗用車市場について振り返っておこう。

2025年3月~2026年2月の1年間で、日本では乗用車が379万台販売されている。そのうち、軽乗用車が130万台、SUVが99万台、2ボックスが67万台、ミニバンが59万台で、残りが4ドアやステーションワゴンなどだ。注目すべきはSUVで、この10年で販売台数は飛躍的に伸びており、いまや『日本で売れている乗用車の4台に1台がSUV』となっている。

中でもZR-Vの属するCセグメントSUVの競争環境は激化しており、トヨタハリアーRAV4日産エクストレイルマツダCX-5など、多くのライバルがひしめく激戦区だ。

ZR-Vは2023年4月に発売され、洗練された内外装とスポーティな走りっぷりに加えて使い勝手も高く、いかにもSUV=スポーツ・ユーティリティ・ビークルらしいクルマと評価されてきた。

だが、発売以来3年近く経ち、少し新鮮さが薄れてこともあり、昨年は販売台数が下降気味。そこでテコ入れを図るべく、一部仕様変更を行い、また特別仕様車も設定されたというわけだ。

前回も人気が高かった『ブラックスタイル』

今回の一部仕様変更で、ZR-Vのラインナップからガソリンモデルはフェードアウトし、ハイブリッド車の『e:HEV』のみとなった。

実際、これまでの販売比率でもハイブリッド車が9割以上を占めていたという。実は2023年の発売開始の時点から、ハイブリッドのみのラインナップが検討されていたのだが、当時は半導体の供給不足問題などもあり、ガソリンモデルもラインナップされたそう。

スポーティなイメージを高めて人気を集めている『ブラックスタイル』。
スポーティなイメージを高めて人気を集めている『ブラックスタイル』。    本田技研工業

現在は半導体の供給も安定しており、ホンダの電動化推進、カーボンニュートラルを進めるといった方針もあり、ユーザーにもCO2削減に貢献してもらおうと、ハイブリッド車のみのラインナップになったという。

そして、そんなZR-Vの魅力を増幅すべく、特別仕様車としてまず『ブラックスタイル』を設定。この『ブラックスタイル』、最近のホンダ車では軽自動車のN-BOXカスタムからフィット、WR-VCR-Vなど、多くの車種に設定されている特別仕様車だ。ZR-Vにおいても、2024年夏に発売(発表は2023年秋)されている。

ZR-Vに限らず、いずれの車種でもブラックをアクセントにした内外装を採用して、『タイプR』や『RS』ほどスポーツ度は強くはないものの、スポーティなイメージを高めて人気を集めている。

ZR-Vでも特別仕様車として設定していた時期は、15~20%をブラックスタイルが占めていたそうだが、今回も、それ以上の人気が期待されている。

ターゲットユーザーとしては、40~50代の独身、子離れ層。クルマに対して、ひとクラス上の上質で洗練された内外装や走り、そして充実した安全&快適装備を求めに対し、人とは違うより洗練された個性を提供することを目指す。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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