EタイプやXJとの比較で探る真価 次世代ジャガー「X900=タイプ00」(1) 開発の起点にあったグランドツアラー

公開 : 2026.04.13 18:05

開発時の起点はEタイプにあった

自分が真っ先に向かったのは、Eタイプ。約20年前にジャガーが主催したイベントで、まったく同じシリーズ3を運転させてもらったことがある。開発時の起点はEタイプにあったと知れば、X900がロングノーズなことも腑に落ちる。

Eタイプのボディは、エレガントに曲線を描く。限りなく低い運転席へ座ると、グラマラスなボンネットを見下ろせる。クルマの中心へ、自分が収まったような感覚は、無二といっていい。美しい彫刻の一部になったかのようでもある。

ジャガーX900 4ドアGTと並ぶ、同社が管理する象徴的なクラシック・ジャガーたち
ジャガーX900 4ドアGTと並ぶ、同社が管理する象徴的なクラシック・ジャガーたち

ステアリングホイールは大径だが、ウッドリムは細く、太もも回りには余裕がある。ボンネットに切られたエアアウトレットは、ダッシュボードの目の前。V12エンジンの唸りが直接耳へ届き、臨場感は半端ない。

スポーツカーからグランドツアラーへの進化

シリーズ1の方が、コクピットはタイト。ペダルが並ぶ足元の空間はやや狭く、ステアリングホイールへ当たりそうな位置へ、膝が来る。モス社製の4速MTは、時々変速が渋い。だが、直6エンジンは素晴らしく滑らかに回り、心地良い音色を奏でる。

敏捷さではシリーズ1が上だが、大らかなクルージングが得意なのは、12気筒のシリーズ3。ホイールベースが長く、ペダルやステアリングなどの操縦系は格段に軽く扱いやすい。トルクフルで、流暢に飛ばせる。変速をサボっても問題ない。

ジャガーX900 4ドアGT(タイプ00/プロトタイプ)
ジャガーX900 4ドアGT(タイプ00/プロトタイプ)

予想以上にラグジュアリー。シリーズ1や2より生産数は少ないものの、シリーズ3のEタイプは、ジャガーの遺伝子へ永続的に受け継がれる特性を与えたように思う。スポーツカーから、グランドツアラーへ進化したモデルとして。

この続きは、次世代ジャガー「X900」(2)にて。

記事に関わった人々

  • マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

次世代ジャガー「X900=タイプ00」の前後関係

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