「EVの時代にこそ合致する」 アストン マーティン・ラゴンダ(2) 接触不良など些細なこと 大トルクが誘う速度上昇

公開 : 2026.04.29 17:50

EVの時代にこそ合致する特徴

弱点と呼べそうなのは、大きな凹凸でのマナー。リアサスペンションはド・ディオン式だが、入力を吸収しきれず明確な揺れがボディへ伝わる。それでも、同時期のサルーンでは、優れた競争力を備えていたことは明白だろう。後継へも、期待したくなる。

「近い将来にラゴンダを復活させる計画はありません。絶対にないともいえませんが」。と述べるのは、現アストン マーティン代表のローレンス・ストロール氏だ。

アストン マーティン・ラゴンダ・シリーズ2(英国仕様)
アストン マーティン・ラゴンダ・シリーズ2(英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

他方、前CEOのアンディ・パーマー氏は、ラゴンダがブランドを補完できると考えていた。「アストン マーティンの中で、ラゴンダは常に少し異なる存在でした。ゆとりある洗練された空間を備え、物静かな自信のようなものを象徴していました」

「その特徴こそ、EVの時代に驚くほど合致すると感じます。ラゴンダが体現してきた流暢さや静寂性、余裕のある動力性能といったものは、EVと一致するといえます」。壮観なこのサルーンの後を継ぐ1台が誕生する日は、来るのだろうか。

番外編:何度か提案されたラゴンダ

2009年には、ラゴンダ LUVというコンセプトカーが提案されている。LUVとは、ラグジュアリー・ユーティリティ・ビークルの略で、今でいう高級SUV。V12エンジンの四輪駆動が想定され、アストン マーティンの量産車提供100周年を記念したものだった。

2014年に発表されたのが、アストン マーティン・ラピードのプラットフォームを流用した、ラゴンダ・タラフ。5.9L V12エンジンを搭載し、0-100km/h加速4.4秒、最高速度313km/hが主張された。ご記憶の方は少ないと思うが、120台が生産されている。

ラゴンダ・タラフ(2014年/海外仕様)
ラゴンダ・タラフ(2014年/海外仕様)

2018年には、ロールス・ロイスに対抗するサルーン、ラゴンダ・ビジョンが提案されている。バッテリーEVブランドとしてラゴンダを復活させるという、パーマーが掲げた次期戦略の一環として。SUVのオールテレーン・コンセプトも、翌年に提案された。

アストン マーティン・ラゴンダ・シリーズ2(英国仕様)のスペック

英国価格:4万9933ポンド(新車時)/10万ポンド(約2100万円)以下(現在)
生産数:620台
全長:5281mm
全幅:1791mm
全高:1302mm
最高速度:225km/h
0-97km/h加速:7.0秒
燃費:2.8-3.5km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1981kg
パワートレイン:V型8気筒5340cc 自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:284ps/5000rpm
最大トルク:49.6kg-m/3000rpm
ギアボックス:3速オートマティック/後輪駆動

アストン マーティン・ラゴンダ・シリーズ2(英国仕様)
アストン マーティン・ラゴンダ・シリーズ2(英国仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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