日産リーフからフィアット600eへ乗り換えて約半年 春の航続距離と回生ブレーキにおける考え方の違い

公開 : 2026.04.29 07:05

フットブレーキを軽く踏むと強い回生ブレーキが

まずは、回生ブレーキの仕様です。フィアット600eには、回生ブレーキの強さについてD/Bモードの切り替えがあります。アクセル戻しでそれなりの回生ブレーキが効くだけでなく、フットブレーキを軽く踏むことによってかなり強い制動の回生ブレーキを使えます。そして、さらに強く踏み込むと油圧ブレーキになります。

なぜこのような仕様になっているのか、しばらく分りませんでした。

帰宅時の600e走行データの画面表示。
帰宅時の600e走行データの画面表示。    小林薫

しかし、最近になってようやく理解できてきました。このようになっていると、交差点などで停止しようとする時、まずはアクセルを戻して回生ブレーキで減速し、交差点に近づいたらフットブレーキを軽く踏み、そして最後に奥まで踏み込んで止まることになります。とても自然な操作となり、回生ブレーキを特に意識することなしに、それを十分に使うことができるのです。

また、前を走っているクルマの急な減速時でも、フットブレーキの強い回生ブレーキで、瞬時の対応が可能となります。

それに、下り坂の時などでは、アクセルとフットブレーキだけの調整により、手の操作なしで、回生ブレーキをしっかりと効かせながら下りてくることができます。

リーフでは、セレクトレバーのD/Bモード切り替えとアクセル操作によって回生ブレーキの強さを調整し、下り坂を下りてきていました。パドルシフトのEVなら、これらよりさらにいろいろな方法で操作できそうです。

効き始めのわずかな間の重要性

もうひとつは、回生ブレーキの切り替えです。最初に600eを販売店で試乗した時、アクセルを戻した時に回生ブレーキが効くまでわずかな遅れがあるのに気付きました。すぐに反応するリーフの方がさすが技術力は上なのかな、とその時は思いました。しかし、このわずかな間には大きな意味があり、あえてこのようにしたのではないかと今は考えるようになっています。

その目的は、普段回生ブレーキをBレンジに入れたままで快適に走行できるようにする為。走行中にB/Dの回生ブレーキの切り替えをしなくても済むようになっています。

600eのD/Bモードの切り替えスイッチ。
600eのD/Bモードの切り替えスイッチ。    小林薫

これにより、街中でのB/Dの切り替えは、全く不要となります。

今までのリーフでは、Bレンジだとちょっとアクセルを戻しただけでブレーキが効いてしまうので、通常はDレンジで走行し、交差点などの手前でBレンジに入れていました。しかし、わずかな間があると、Bレンジの状態でも意図しないブレーキが効くことはないので、郊外の道などでもBレンジのまま快適に走行できるのです。当然ながら、走行中、左手は暇になります。

リーフはマニュアル車に近いイメージ

リーフでは、セレクトレバーを左手で頻繁に操作し、D/Bモードの切り替えをするのが面白かったのも事実です。アクセルレスポンス、回生ブレーキ、フットブレーキはそれぞれシンプルな機能になっており、ドライバーがそれを操って快適なドライビングを実現できるようになっていました。通常のエンジン車で言うところのマニュアル車に近いイメージで、パドルシフトはそれ以上に面白そうです。

一方、600eはドライバーが退屈になるぐらい上手くチューニングされており、EVであることを特に意識しなくても、回生ブレーキを十分に生かした運転ができます。これはこれでEVとしてとても魅力的なクルマだと思います。

心満たされるインテリアデザインや、高音質の音響空間と相まって、優雅なEVライフをもたらしており、600eとは素晴らしい出会いだったと感じています。

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    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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