【ホンダとのEV開発中止を受けて】アフィーラ・ロスでもソニーのモビリティ戦略は終わらない Sライド連携で感じた立体音響技術
公開 : 2026.04.13 12:05
3月末に、ソニー・ホンダモビリティがアフィーラ販売中止、開発ストップを発表しました。それでも、ソニーのモビリティ戦略は終わったわけではないようです。Sライドとの連携をお披露目した取材会を中心に、森口将之が解説します。
アフィーラ・ブランドの今後は未公表
ソニーグループとホンダが共同出資するソニー・ホンダモビリティが3月25日、EVの開発と販売を中止すると発表した。少し前にホンダが4輪電動化戦略を見直したときから噂になってはいたが、いざ現実になると、やはり衝撃だ。
ソニーとホンダは、第二次世界大戦直後に創業し、革新的な技術力を武器に、町工場から世界企業にまで発展していったことなど、共通項は多い。それは両者のタッグは、発展の様子を消費者として見てきた僕にとっても、特別な思いを抱かせるものだった。よって、アフィーラ・プロジェクトが動き始めると、デザイナーへの取材を申し込んだりしたのだ。

なので、今年中に納車を始める予定だった『アフィーラ1』の販売中止、1月に米国ラスベガスで開催されたCES(家電見本市)で発表したSUVタイプの第2弾の開発ストップというニュースは、ショックだったことは事実だ。
とはいえ、アフィーラ・ブランドそのものがどうなるかは、まだ公表されてはいないし、ホンダはジャパンモビリティショーで参考出展したスーパーワンの予約注文受付を開始するなど、それ以外の部分はいつもどおりの歩みを進めている。
そしてソニーグループも、4月2日、タクシーアプリを提供するSライドと連携し、自動運転とエンタメを融合した特別車両を公開。3~5日に横浜みなとみらい地区で運行した。
Sライドについては、別媒体で前社長へのインタビューを行ったり、現社長とともにラジオ出演したりという関わりを持たせていただいているので、横浜で行われた取材会に向かうことにした。
モビリティエンタメサービスの更なる進化
ソニーグループのポータルサイトでは、新しい取り組みのひとつとしてモビリティを掲げており、イメージング・センシング、音響技術、モビリティサービスの3つの柱を紹介。さらに将来的な技術として、AIエージェント、社内エンタテインメント、クラウドサービスにも言及している。
このうちモビリティサービスを担うのがSライドで、ソニーのAIやIT技術を使って、アプリの使いやすさにこだわったほか、ドライバー向け需要予測技術などを提供している。今回の発表会では新たに『Sライド・エンタテインメント・モビリティ構想』を発表した。

音楽や映像などグループのテクノロジーやコンテンツを結集し、ロボットタクシー時代を見据えたモビリティエンタメサービスの更なる進化を加速するとしている。
なお、自動運転については金沢大学発スタートアップで、北海道上士幌町などで実証実験を行うムービーズが担当している。
ライブ会場に行く中で感動与えることが目的
取材会が行われた週末、横浜では大型フェス『セントラル26』が開催された。今回の自動運転エンタメタクシーはそれに合わせたもの。アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の劇中バンド『結束バンド』の世界観をビジュアル、サウンド、匂いで展開し、没入空間を作ることで、ライブ会場に行く中で感動与えることを目的としている。
早速乗ってみると、空間再現ディスプレイ(Spatial Reality Display)の超絶3Dレベルに圧倒され、空間芳香デバイス(Grid Scent)からは甘い香りや爽やかな匂いが次々に届いてきて、ソニーの技術力の高さを改めて教えられた。
一方、立体音響技術(360 Spatial Sound Mapping)を駆使したサウンドは、「どこかで聞いたことがある」と思った。1年前、銀座ソニーパークの最上階に展示されていたアフィーラ1の車内で体験した立体音響体験(360 Reality Audio)と似ていたのだ。









