『貝殻マーク』捲土重来なるか? エンジンオイルの世界トップブランド『シェル』が、一般ユーザー向けブランディング活動を本格化

公開 : 2026.05.08 17:05

世界統一パッケージラベルで発売開始

4月1日から発売開始となったのは、『シェル・ヒリックス・ウルトラ』シリーズの新商品で、輸入車だけでなく国産車にも幅広く適用できるようにラインナップを拡充したことなどが特徴。製品名称を改め、世界統一パッケージラベルへの変更も受けている。

新商品となるのは、ヘリックス・ウルトラが0W-16、5W-40、同ECTが0W-20、5W-30で、5月7日時点で全ての販売がスタートした。メーカーから認証を受けているのは、BMWメルセデス・ベンツフォルクスワーゲンポルシェルノーフィアットなどで、詳しい適合の組み合わせはホームページや販売店などで確認頂きたい。

4月1日から発売開始となった『シェル・ヒリックス・ウルトラ』シリーズの新商品。世界統一パッケージラベルを採用している。
4月1日から発売開始となった『シェル・ヒリックス・ウルトラ』シリーズの新商品。世界統一パッケージラベルを採用している。    シェル・ルブリカンツ・ジャパン

シェル・ルブリカンツ・ジャパンの調査によれば、乗用車用エンジンオイルの販売チャネルは、ディーラー43%、カー用品店19%、サービスステーション15%、整備工場13%、中古車販売店9%となっている。

この中でやはりサービスステーションの15%がなくなったことは大きく、出光興産との経営統合で、そこだけゼロリセットされてしまったわけだ。

そこで同社はカー用品店での販売を強化しつつ、昨年夏より『シェル・ピット』と呼ばれる認定の整備工場加盟店を募集しており、今年はその活動を本格化。そして、2030年を目標に『乗用車用エンジンオイル市場ナンバーワン』へ挑戦するという。

現在、日本における潤滑油市場におけるシェルのシェアは約21%で、競合上位は約25%となるが、これを乗用車用に絞ると20%にも届いていないという。また、BtoBが約9割とかなりの比率で、グローバルではBtoBとBtoCは均衡しているため、BtoC強化は急務となっているわけだ。

エンジンオイルの選び方は難しい

製品内容からするとやはり輸入車がメインとなりそうで、競合はカストロールやモービル1となる。ただ、エンジンオイルは実際の効果がわかりにくいため選び方が難しく、指名買いに至るまでは、ブランド力や販売店のアドバイスが大きいだろう。

そういった意味でシェルは、ブランドは世界的にかなりの強さがあるから、日本でのブランド訴求や販売ネットワークの整備によっては、目指すところのナンバーワンに到達する可能性は大いにある。

日本における起源は120年以上前となるシェル。果たして『貝殻マーク』の捲土重来なるか?
日本における起源は120年以上前となるシェル。果たして『貝殻マーク』の捲土重来なるか?    シェル・ルブリカンツ・ジャパン

ただ、今回発表会で説明を聞いていて、オイル販売の難しさを改めて感じた。CMに登場するのはスクーデリア・フェラーリのパイロットだが、決してスーパーカー専用というわけでなく、輸入車はもちろん国産車にも幅広く適用するとなると、果たして自分のクルマに適合するのだろうか? と一般ユーザーは疑問を抱くに違いない。かくいう私もそう感じたのだ。

そういった点からも、ナンバーワンへの道のりが平坦ではないことが予想されるが、こうして発表会を開催するなどして『ブランディング活動を始動』したというのが現在地となる。

実は厚木に研究開発拠点、横浜と神戸に生産施設を持っており、日本で120年以上の歴史があるだけに、その基盤は強いものがあるシェル。果たして『貝殻マーク』の捲土重来なるか? その行方に注目したい。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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