新型日産アリア、リーフと共に過ごした約2週間(後編)【日本版編集長コラム#82】

公開 : 2026.05.17 12:05

プロパイロット2.0のハンズオフに感心

さて、前回2台分をまとめて記すと書いた『プロパイロット2.0』の話だが、今回アリアで500kmほど、リーフで1000km以上走ってみて、そのよさを実感することができた。特にハンズオフの機能だ。

まず、プロパイロットへの移行がボタンひとつで簡単であること。そのボタンもひとつだけ青で視認性が高いこと。メーターやヘッドアップディスプレイに表示される色が、ハンズオフ可能を青、不可能を緑と分けているのがわかりやすいこと。周辺の法定速度や工事などの規制に応じてちゃんと解除されること。

以前の取材で試したハンズオフの様子(周囲の安全を十分に確認して実施しています)。
以前の取材で試したハンズオフの様子(周囲の安全を十分に確認して実施しています)。    平井大介

また、その時の車両の動き方もかなり自然で、段々とステアリングから手を放した時にリラックスできるようになった。これは他社銘柄と比較しても、かなりきめ細かな制御と感じている。

それにしても、ステアリングとアクセルを操作しないことが、これほどまでに疲労を軽減するとは驚きだった。今回は静岡県東部の自宅を起点に、北は那須塩原、西は名古屋まで走行したのだが、高速道路ではひたすらハンズオフを使用したほど。

また、アリアでもマイチェンで採用された『インテリジェントディスタンスコントロール』は制御が絶妙。ただ、アリアよりリーフのほうが減速、停車の仕方が多少、急すぎる感じがした。回生の効き方の違いかもしれない。

しかしながら、ワンペダルモードである『eペダル』を筆頭に、回生ブレーキの効き方は両車とも自然で、これはEVにいち早く取り組んできた日産の経験値が活かされている部分だろう。

進化の余地がある車線変更

一方、ウインカーと連動して自動的に車線変更をする機能は、まだ進化の余地ありと感じた。

いったん車線変更を始めようとして、しかし何かしらの理由があるのか、キャンセルになる場面が何度かあった。こちらも周囲の安全確認をした上で使用しているので、その理由がわかりにくかったのは気になった。

リーフのデザインに関しては賛否両論あると聞くが、個人的には『賛』の立場だ。
リーフのデザインに関しては賛否両論あると聞くが、個人的には『賛』の立場だ。    平井大介

また、車線変更が後ろから迫って来たクルマを避けることが理由で、そこでキャンセルされると、一度ウインカーを出したにもかかわらず同一車線に留まることになり、危ないと感じる場面があった。

誤解しないで頂きたいのだが、これはクルマに頼りすぎるのがよくないという話だ。あくまで運転しているのは自分であると、改めて自覚する出来事になった。

2台とも日本に適したEV

さて、アリアとリーフの2台を通じて感じたのは、日本に適したEVであるということだ。

制御が自然であったり機能の操作性がきめ細かであったり、一緒に過ごしていて心地よく感じる場面が多かったのは、両車が日本製であり、自分が多くの作り手と同じ日本人だからだと思う。水が合うと例えるとわかりやすいかもしれない。

また、それを包み込むデザイン性の高さも効いている。リーフのデザインに関しては賛否両論あると聞くが、個人的には『賛』の立場だ。

もちろん補助金があるとはいえ、B7Gで599万9400円という600万円級の価格をどう考えるかという側面もある。B5であれば500万円を切るグレードもあるが、当然航続距離は短くなる。

こういった課題も全て理解したうえで、アリアもリーフも『魅力的な乗り物』に仕上がっていたと結論付けたい。そう、『EV』ではなく『乗り物』だ。そこには、EVを積極的に選ぶ理由が確実に存在したのであった。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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