英国製スポーツの再来 ウェルズ・ヴェルティージュ 2.0R(1) 1t切りボディへ250psの4気筒NA エリーゼ終了を悲しんでいる方へ

公開 : 2026.06.11 18:05

英国製スポーツの再来を掲げた、ウェルズ・ヴェルティージュ。1.0t切りの小柄ボディへ積まれるのは、250psのNA 2.0L 4気筒です。たおやかな操縦性は、まさに期待通り。UK編集部が試乗します。

英国製スポーツの再来を掲げたヴェルティージュ

ウェルズという英国の新興ブランドが、2021年のグッドウッド・フェスティバルで発表したのが、英国製スポーツの再来を掲げたヴェルティージュ。車重は1t以下と軽く、全長は4m以下と短い。フォードの2.0L自然吸気ユニットを、ミドシップマウントする。

同社が主張するのは、人を選ばないドライビングプレジャー。トラクション・コントロールだけでなく、ABSやパワーステアリングも備わらない。予算次第だが、上質なレザーやローズウッド・パネルで、車内を豪華に仕立てることもできる。

ウェルズ・ヴェルティージュ 2.0R(英国仕様)
ウェルズ・ヴェルティージュ 2.0R(英国仕様)

生産拠点があるのは、グレートブリテン島中部のゲイドン近郊で、正規スタッフは9名とのこと。2022年に初回限定仕様となる25台の組み立てが始まり、納車は無事に完了。現在は、高性能なヴェルティージュ 2.0Rの提供が、小さな工場で始まっている。

ロータス・エリーゼの終了を悲しんでいる方なら、きっと興味が湧くはず。7万4995ポンド(約1575万円)を、聞き慣れないスポーツカーへ投じる余裕があるなら、特に。

250psへ強化された自然吸気の2.0L 4気筒

シャシーはレーザーカットされた鋼板製で、前後に三角形のサブフレームが備わる。ボディサイズは、ライバルに該当しそうなアルピーヌA110より更に小さい。

車重を測ると、48L入るガソリンタンクを満タンにして、963kgだった。A110 Rより、130kg以上軽いことになる。シャシーのねじり剛性は1度当たり約4万Nmで、F80型BMW M3に匹敵するとか。前後の重量配分は39:61で、若干後ろ寄りだ。

ウェルズ・ヴェルティージュ 2.0R(英国仕様)
ウェルズ・ヴェルティージュ 2.0R(英国仕様)

エンジンは4気筒デュラテック・ユニットで、最新の2.0Rでは250psまで最高出力が引き上げられている。内部部品と電子制御の見直しで、実現したという。6速MTを介する後輪駆動で、リアデフは、リミテッドスリップではないオープンタイプが組まれる。

サスペンションは、前後とも鍛造アルミを用いたダブルウィッシュボーン。車高だけでなく、キャンバーとトー角の調整も素早くできる。ダンパーはスパック社製で、減衰力はジャッキアップせずに24段階から選択可能だという。

有機的なボディにディヘドラルドア

有機的にカーブを描くボディは、ケブラーを用いたFRP製。テールが垂直に切り落とされたカムテールは、眺めているだけで心がうずく。ドアは、上方へ立ち上がるディヘドラル。グループCマシンのように、サイドウィンドウの開くエリアは小さい。

リアガラスは大きいが、エンジン自体は耐熱カバーで隠れている。それを取り外すと、エメラルド社製のK6 ECUと、スロットルボディが姿を表す。給油口は、両側にある。

ウェルズ・ヴェルティージュ 2.0R(英国仕様)
ウェルズ・ヴェルティージュ 2.0R(英国仕様)

アルミホイールは、スピードライン・コルセが標準。細いスポークの間から、ブルーに染まったキャリパーがチラ見えする。タイヤは、ミシュラン・パイロットスポーツ4だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ウェルズ・ヴェルティージュ 2.0Rの前後関係

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