メルセデス・ベンツ300SLでミッレミリア2026へ(1) 超希少なW194のステアリングを託されたUK編集部 混沌の公道レース

公開 : 2026.08.01 17:45

クラシックカーが来ると周囲へ知らせる白バイ隊

レースを円滑にするため、警察も協力し、交差点では参加車を優先する。ところが先導役を担う白バイ隊は、自ずと珍しいクラシックカーが来ると周囲へ知らせることにもなる。

警察官は、一般車でもアルファ・ロメオには甘く、車列へ加えてしまう。気付けば、参加車ではないクラシックカーも混じり、関係ないアウティも並走していたりする。ミッレミリアが、好意的に受け止められている証拠ではあるが。

2026年のミッレ・ミリアの様子
2026年のミッレ・ミリアの様子

他方、先導車と距離が開いたポルシェ356が、100km/hで路地へ飛び込んでくることも。自宅へ帰るため、フィアットプントを運転するご婦人からすれば、迷惑でしかない。参加ドライバーの多くは、プントが避けるものだと信じている。

レース後のレポート映像には、白バイ隊へ突っ込むポルシェや、路肩で横転したクラシックカーが映っていた。サルーンへ衝突する、古いアルファ・ロメオも。対向車が鳴らすクラクションの多くは、応援の意味を込めたものだが、違うものもある。

W194型300SLを3台投入したメルセデス

こんな混沌とした公道レースへ、メルセデス・ベンツは自ら管理する、超貴重なW194型300SLを3台投入。そして、その1台のカギを筆者へ貸してくれるという。

ペアを組むのは、メルセデス・ベンツ・クラシックを率いるマーカス・ブライトシュヴェルト氏。筆者のドライブで、彼の命は脅かされないと判断されたらしい。メルセデス・ベンツUKのトップにいた人物で、退職前になって再配属されたそうだ。

メルセデス・ベンツ300SL(W194型/1952年式)
メルセデス・ベンツ300SL(W194型/1952年式)

もちろん、混乱気味の市街地が延々と続くわけではない。トスカーナ地方の丘陵地帯は、非常に走りやすい。その間には、スピードへの欲求を鎮めるため、特定区間を22.9km/hで20秒間走る、といったトライアル・イベントも設けられている。

この続きは、メルセデス・ベンツ300SLで公道レースへ(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

メルセデス・ベンツ300SLでミッレミリア2026への前後関係

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