限定生産部門「ボッテガ」による新たな品質基準 アルファ・ロメオ 33ストラダーレ(2) 熱意を過度に求めない穏やかさ 偉業と表現できるサウンド 

公開 : 2026.07.29 18:10

熱意を過度に求めない、穏やかな挙動

33ストラダーレは、路面と息を合わせるように疾走する。ステアリングホイールの感触は鮮明で、路面の状況を的確に伝える。ロックトゥロックは2回転ほどあり、ポルシェなどよりレスポンスは穏やか。ブレーキペダルの、ソリッドな感触が頼もしい。

フロントノーズは素直にラインを追い、限界が迫ると安定したアンダーステア。コーナーへの侵入時に速度を整え、フロントをなだめれば、電子制御LSDを活かした鋭い脱出加速を呼び出せる。熱意を過度に求めない、穏やかな挙動で安心感も高い。

アルファ・ロメオ 33ストラダーレ(欧州仕様)
アルファ・ロメオ 33ストラダーレ(欧州仕様)

カーボン製タブシャシーだから、ノイズは大きい。ピスタ・モード時は、音量が増える。路面の凹凸も、明確に拾うようになる。とはいえ、この秀抜な操縦性を堪能すれば、切り替える価値は充分以上にあるとわかる。

オーナーの殆どは、サーキットを走るよりコレクションを楽しむ側にあるはず。それでも、実際に運転すれば満たされる理由へ頷ける。メタリックオリーブ・グリーンの1台が筆者へ納車される日があるなら、自分もアルファ・ロメオを笑顔で再訪するだろう。

番外編:たった18台が作られたオリジナル

1966年12月17日、技術者のフランコ・スカリオーネ氏は、オリジナルのアルファ・ロメオ 33ストラダーレの設計を頼まれた。同ブランドのレーシングカー、ティーポ33をベースにした公道用モデルとして。

エンジンは2.0L V8で、最高出力は260ps。デビュー戦のヒルクライムレースで優勝しているが、その後はニュルブルクリンク1000kmレースでの5位など、目立った戦績は残していない。しかし、価値あるアルファ・ロメオとして当時から評価は高かった。

手前からオリジナルのアルファ・ロメオ 33ストラダーレと、最新版
手前からオリジナルのアルファ・ロメオ 33ストラダーレと、最新版

生産数は、試作車を含めて18台。バタフライドアを備え、全長は4m、全幅は1.7mを切る小ささだった。価格はランボルギーニ・ミウラより高く、商業的に成功したとはいえなかったが、その美貌は、ベースとなったティーポ33を凌いだといってもいい。

アルファ・ロメオ 33ストラダーレ(欧州仕様)のスペック

英国価格:200万ポンド(約4億2000万円/予想)
全長:4637mm
全幅:1966mm
全高:1226mm
最高速度:333km/h
0-100km/h加速:3.0秒
燃費:8.9km/L(予想)
CO2排出量:260g/km(予想)
車両重量:1600kg(予想)
パワートレイン:V型6気筒2992cc ツインターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:630ps/7500rpm
最大トルク:74.2kg-m/3000-5750rpm
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック/後輪駆動

アルファ・ロメオ 33ストラダーレ(欧州仕様)
アルファ・ロメオ 33ストラダーレ(欧州仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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